人間がCOVID-19に翻弄され始めて約1年半。この異変に気づいている動植物も存在するのかしら……。そんなことを思う昨夜。
インド移住後、毎年この時期は、ニューヨークを訪れていた。年に一度の「里帰り」であり、グリーンカード(永住権)保持のためでもあり。
夫はまた、勤務する会社の本社訪問や、親戚や友人らに会うなど、米国への数週間の旅は、とても貴重なルーティンだった。
ここ数年は、経由地のロンドンに降り立ち、英国やフランス、アイルランドなど欧州旅もセットにしてきた。
そんな日々が幻のよう。
この時期、年に一時期のみ開花する月下美人が開く。旅のタイミングに重ならぬよう祈ったことさえ懐かしい。開花のときには、友人らを招いて「月下美人鑑賞会」を開いてきた。
これまでは、2、3夜にわけて、少なくとも、一度に十輪以上は、花をつけていた。しかし、去年はわずかに数輪ずつ。
そして昨夜。
1日の終わりに、庭を散歩しているときに、ふと、芳しい香りに気づいた。そうしたら、暗く沈んだ緑の中に、2輪だけがひっそりと咲いているのが見えた。
「今年も、見る人があまりいないようだから、とりあえず、2輪だけ、咲かせましたよ」とでも、言わんばかりの。
季節の変化に緩い高原都市バンガロール。それでも4月5月の盛夏には気温があがり、毎年のように「今年は冷房を買おうかな」などと思ってきた。
バンガロールはそもそも、エアコンシティと呼ばれる涼しい土地にて、緑に囲まれた平家一戸建てのバンガロー(邸宅)などに住んでいれば、冷房など不要だったのだ。
我が家はグラウンドフロアで庭もある。だから冷房なしでも凌いできた。特に暑いのは数週間程度。
ところがね。気づけば今年は、夏が来ない。ず〜っと風が心地よく、空気が軽く、暑くないのだ。無論これが、従来のバンガロールの姿なのだが。
本当にね。いろいろと、いろいろと考えさせられることの多い、この混沌の世界にて。
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