年末年始の予定を立てないまま迎えた師走半ば。過去10年以上に亘って年末年始を過ごしてきたアーユルヴェーダグラムの予約も、今年は入れていない。
陽光穏やかに半袖が心地よいこのバンガロールで、今年はよりいっそう節目も浅く、静かに一年を終え、新年を迎えることになると思っていた。しかし、昨日は小さなクリスマス会を開き、くっきりと節目ができた。
パンデミック以前は数カ月に一度は開いていた大小のパーティ。しばしば大人数の料理を作ってきたが、昨夜のゲストは6名と小人数。久しぶりの宴とあって塩梅を掴みかねる。料理が足りないよりは残った方がいいと、少し多めにあれこれと準備した。
ゲストは、北インドのアラハバードにお住まいで、現在、南インドを旅行中の松田さんと関口さんご夫妻。そして先日、小さなバザールで手伝いをしてくれたミューズ・クリエイションのメンバー、木幡さんと吉田さんの4人だ。
我が家では従来、日本米といえば。年に一度のニューヨークで、カリフォルニア産コシヒカリ「田牧米ゴールド」をまとめて購入するのが常だった。しかしパンデミックで渡米が叶わず、どうしたものかと思っていたところ、「アラハバード有機農業組合」(以下AOAC)*がバンガロールにも日本米を送ってくれることを知り、以来、米をはじめ、味噌や醤油なども購入している。
合鴨農法による日本米は、最初こそ少しパサついている気がしたが、あらかじめ数時間、水に浸けたり、使う鍋や水の分量などを工夫してみたところ、うまくおいしく炊けるようになった。玄米もまた、滋味があっておいしい。ちなみに我が家では、電気釜も電子レンジも使わない。米は鍋で炊いている。
販売サイトは構築中とかで、現在は、毎月、電子メールで注文票が送られてくる。メールに添えられた、アラハバードの農家の様子やご自身の所感を記した松田さんの文章が我が琴線に触れたことから、その感想などを送るなど、折に触れてやりとりをしてきた。ご夫妻とはまた、ZOOMですでにお話をしたこともあった。
アラハバードもまた、必ず足を運びたいと思っていると土地の一つだ。
……そんな次第で、昨日の料理は、AOACの食材をあれこれと利用して料理を仕上げた。インド友から注文した見目麗しき美味チーズにはじまり、我が料理の背景については、この投稿の続編で、詳細を記したいと思う。
松田さんが拙著『街の灯(まちのひ)』を読みたいとおっしゃっていたので、謹呈。木幡さんも吉田さんもすでに読んでくれているので、我が30代前半のニューヨーク在住時代のことも、大まかご存じ。ゆえに、話も速やかに核心に入れるので言葉が通じやすい。
久しぶりに日本人メインの宴席につき、夫は出たり入ったりしつつも、みなでよく食べ、よく飲み、よく語り合った。踊ってはいない😅
午後5時ごろから夜更けまで。久しぶりの集いもまた「長居をしたくなる」マルハン家は本領を発揮するのだった。いい夜だった。
*ウッタル・プラデシュ州のアラハバードにあるAOACは、日本のNPO法人である「アーシャ=アジア農民と歩む会」が、JICA(国際協力機構)の支援を受け、アラハバードの小規模農民と、サム・ヒギンボトム農工科学大学マキノスクール(継続教育学部)と共同で2004年に創設した農業組合。
地球環境の負担を軽減する「持続可能な有機農業の促進」をはじめ、無添加の農産加工商品の製造及び流通販売を実現。地元の小規模零細農民の自立を促進すると同時に、在留邦人をはじめ、日本の食材を求めるインドの人々に、安全な農作物を届けている。
ミューズ・クリエイションでは、インドがデルタ株による第二波で苦境に陥っていた時、日本から支援できるいくつかの団体を紹介した。そのときにアラハバードの「アーシャ=アジアの農民と歩む会」のことも紹介している。
🌾🇯🇵北インド拠点の「アーシャ=アジアの農民と歩む会」を通して、COVID-19で困窮する農村の人々への支援を!
➡︎ https://museindia.typepad.jp/2021/2021/06/aoac.html
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