2022年。新しい年があけてまもなく、バンガロール(ベンガルール)市街中心部にあるカボン・パークを訪れた。広大な公園の周辺には、州庁舎のヴィーナ・サウダや高等裁判所、図書館などが点在する。
デカン高原の南、標高約920mの高地に位置するカルナータカ州の州都、バンガロール。英国統治時代から「ガーデンシティ」「エアコンシティ」と呼ばれ、一年を通して過ごしやすい気候が特徴だ。季節の変化が緩やかなバンガロールで、歳月の巡りを教えてくれるのは、木々の花。
悠然と舞うトンビになって、中空を旋回しながら、この街を見下ろしたい。
1月の今は、濃いピンク色のピンク・トランペットが、街の随所で咲き誇る。確かによく見ると、トランペットのような形をしている。やがて、透き通るような薄紫色の木の花、「ジャカランダ」が芽吹き始める。これもまた、トランペットのような形だ。日本の桜と見まごうばかりの、薄桃色の花をつける木も随所で見られる。これもまた、「ピンク・トランペット」、あるいは「ピンク・テコマ」と呼ばれる。同じテコマでも、鮮やかな黄色い花をつけるそれは、デカン高原の青空に映えて、ひときわ色鮮やかだ。
やがて、4月から5月の盛夏になると、真っ赤な「グルモハル」の花が咲き乱れる。まるで炎のように中空を染めることから、日本語では「火焔樹」と呼ばれる。
バンガロールが、古くから緑に溢れた土地だったのか……といえば、実はそうではない。そもそもは、乾いた高原だったこの土地を、緑でいっぱいしてくれたのは、マイソール王国の藩主ティプー・スルタンだ。バンガロールにある樹木の多くは、彼が1700年代に海外から輸入した外来種である。
市街南西部にあるラルバーグ植物園では、当時からの樹木を見ることができる。バンガロール滞在中には、足を運ばれることを、お薦めする。
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