四季の変化に浅く、季節の移り変わりが緩慢なバンガロールだが、そのときどきで異なる自然が息吹いている。「樹の花」が咲き誇る季節の今、悠然と舞うトンビの視点を借りて、中空を旋回しながら、この街を見下ろしたい。
透き通るような薄紫色の木の花は「ジャカランダ」。よく見ると、トランペットのような形をしている。
日本の桜と見まごうばかりの、薄桃花をつけた木々もあちこちに。「ピンク・テコマ」あるいは「ピンク・トランペット」と呼ばれるその木々が目に飛び込んでくるたびに、ハッと心がときめく。
同じテコマでも、鮮やかな黄色い花をつけるそれは、デカン高原の青空に映えて、ひときわ色鮮やかだ。
やがて、4月から5月の盛夏になると、真っ赤な「グルモハル」の花が咲き乱れる。まるで炎のように中空を染めることから、日本語では「火焔樹」と呼ばれる。
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今日は、外出の帰路、シナモンの中庭にあるカフェに立ち寄った。
夕暮れ時の日差しが心地よくやさしく、トンビの鳴き声が遠く近く、ぼんやりとひとり、至福のひととき。
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シナモンは、英国統治時代建造の平屋一戸建ての邸宅「バンガロー」を改築したブティックで、洗練されたインドのデザイナーズ・ファッションや小物類などがある。昨年のクリスマス、ひっそりと、「Muse Charity Tiny Bazaar 2020」を開催した場所だ。
オーナーが知人ということもあり、空いたテナントを無償で提供してくれたのだ。ちなみにオーナーのポッダー夫妻は、昨年、UBシティの近くに、私財を投じて「The Museum of Art & Photography」を設立している。オンライン・イヴェントも多彩に実施している。
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