旅の前日、YPOのイヴェント主催者から届いたピクニックセット。道中のおやつに。旅の気分が盛り上がる。
出発前のPCR検査@自宅。朝、検査して、夜、結果が出る。こういうサーヴィス、本当に早いインド。
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わずか3泊4日の、しかし1年以上ぶりの、旅。久しぶりの荷造りに手間取り、出発前夜は、何度も目が覚めた。
目的地はカビニ。カヴェリ川のほとりの、ジャングルだ。今回は、YPO主催のグループ旅。ゆえにPCR検査を受けて陰性を確認し、極力、人ごみを避けて目的地へ。
カビニへは、当日の早朝出発で5〜6時間かけて直接行くこともできる。しかし、我々は途中のマイソールで1泊することにした。
途中の古びた食堂で休憩。バンガロール=マイソール間のドライヴでは欠かせない「マドゥール・ワダ」を食べる。サウスインディアン・コーヒーを飲む。おいしい。
風情あるガラス容器に入った、インドでおなじみの甘すぎるスイーツ、グラブ・ジャムン。眺めるだけ。
スイーツやコーヒー、チャイに使われる乳製品は、一隅の牛舎に暮らす乳牛らから供給されている模様。
1947年の印パ分離独立後、この地はマイソール州となり、州都はバンガロールとなった。マイソールは第二の都市だ。のちに「カンナダ語地域」を統一する形で再編され、1972年にマイソール州からカルナータカ州となった。
つい最近のことだ。
英国統治時代、マイソールは南インドの偉大なる王国だった。18世紀、英国軍の統治に対し、果敢に挑んだイスラム政権、マイソール・スルタン朝。その君主であり支配者は、最後まで英国軍に対抗して戦死した勇者は、「マイソールの虎」と呼ばれた人物、ティプー・スルタンだ。
彼の死後、英国軍管轄のもとに、ヒンドゥーのオデヤ朝が復活。現タミル・ナドゥ州やケララ州、カルナータカ州やアンドラ・プラデーシュ州の一部とともに「マドラス管区」の管理下となった。
今回、滞在先に選んだのは、そんな英国統治時代の1920年。今から101年前に、時のマハラジャ(藩王)によって建設された建築物のひとつ。
マイソールパレスにほど近い場所にある、ホテル・オーキッド・メトロポール。コロニアル様式の、独特のノスタルジアがほとばしる。
ウェルカム・ドリンクはタマリンドとハーブの甘酸っぱい飲み物。グラスもジャグも、愛らしい。
ランチはシンプルに、ダール(豆の煮込み)とタンドーリ・ロティ。タンドール窯で焼かれるロティ(チャパティ/全粒小麦粉ATTAで作られた主食)。香ばしくておいしい。
初めてマイソールを訪れた2003年の家族旅行を思い出す。つい最近だと思っていたあのときから、気がつけば幾星霜。ホームページに色褪せず残る写真を見れば、すでに見かけない車や、狭い田舎道。
あのとき泊まったグリーンホテルはまた、マハラジャのプロパティのひとつだった。その風情は、夫が子ども時代、久しく過ごした母方の祖父の家とよく似ていたとのことで、思い出話を聞かされた。
昨日もまた、ホテルから外へ出ることなく、二人、珍しく語り合い、歳月の流れをしのんだ。
実はこのホテル、わたしは3年前、友人たちとの旅の際、ランチに立ち寄ったことがあった。今度はここに泊まりたいと思っていたがゆえ、夫にその旨、メッセージを送って伝えていたのだが、彼はそれを読んでおらず。
彼は、このホテルを自分で見つけて、予約していたらしい。
「偶然だね」と、感慨深そうに、夫。
……てか、妻からのメッセージ、読め。
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