昨日は、月に一度のYPOフォーラム・ミーティング。いつものように、元気なインド友らと会い、ランチを挟んで4時間ほど過ごしたあと、UBシティにほど近いgallery gへ。
昨年、ミューズ・クリエイションが実施したオンライン・イヴェント『ミューズ・チャリティフェスト2020』では、多くの在インドの企業や団体、ビジネス関係者から協力を受け、動画を提供していただいた。
知人のギタンジャリ・マイニが運営するgallery g、そしてRaja Ravi Varma Heritage Foundationも、すばらしい動画を提供してくれたので、日本語訳をつけて動画チャンネルに公開している。
ラジャ・ラヴィ・ヴァルマとは、絵画を通して、神々の姿を具現化。遍く人々に版画で芸術の世界を広めた伝説のインド画家だ。インドに暮らす人ならば、きっと彼の絵をどこかで目にしたことがあるに違いない。
『ミューズ・チャリティフェスト2020』では、ラジャ・ラヴィ・ヴァルマの生涯、そして彼の子孫で王女でもあるラクミニ(ご存命の画家)の軌跡を紹介している。夢と現、時代を超えての時間旅行を楽しめるすばらしい動画なので、ぜひご覧いただければと思う。
さて、昨日gallery gを訪れたのは、ほかでもない、現在公開されている、友人アンジュムの『家族の肖像』を見るためだ。描き手はラクミニの息子、ジェイ・ヴァルマ。
アンジュムの夫オマールは、ハイデラバードのロイヤルファミリーの出自。アンジュムはバンガロールの不動産開発会社大手プレステージ・グループ(UBシティやコンラッドホテル、ゴルフ場ほか多数の物件を所有)の創業一族。アンジュム自身は、家具や内装を一から手がけるインテリア会社を運営している。卓越した美的センスを持つ女性だ。
以前、我が友らが日本について語ってくれた動画を公開したが、あのとき訪れていたのが、アンジュムの別荘。動画内で紹介した絶品マトン・ビリヤニは、彼女のレシピだ。ビリヤニに限らず、彼女はフーディでもあり、まつわるエピソードは尽きない。アンジュムはまた大変な親日派。ムスリムゆえ、牛肉も大好きで、神戸牛をこよなく愛している。
それはさておき、この絵画。間近で見れば尚一層、見慣れた友人一家の表情が、あまりにもリアルで、鳥肌が立つ。表情、髪の毛の具合、手の血管、宝飾品、衣類の装飾……。アンジュムが着ているのは、彼女の母親が婚礼のときに着たという絞り染め(BANDHANI/ TIE &DYE)のサリーだ。精緻な絞り染めの触感さえ伝わるような描写力。
ラジャ・ラヴィ・ヴァルマはインドの伝統的な宝飾品や植物、果実などのモチーフを巧みに絵画に取り入れているが、彼もまた祖父や母親の意匠を受け継いでいるように見える。
🖌 🖌 🖌
同ギャラリーでは、他の絵画もさまざまに展示されている。
●ラジャ・ラヴィ・ヴァルマの名作
●ラクミニ・ヴァルマの作品
●俳優サルマン・カーンの作品
●タゴールと岡倉天心、横山大観との交流。そしてベンガル地方の絵画に与えた影響などが言及されている。興味深い。タゴールと日本の交流については、坂田のセミナー動画でも言及している。関心のある方は、ぜひご覧ください。
●Raja Ravi Varma Heritage Foundation
●ドキュメンタリー*Holiday in Golfshire, Bangalore 久しぶりに集った盟友8人。親日派の彼女たちに聞く日本旅エピソード。本場マトン・ビリヤニ最高!
●絵画を通して、神々の姿を具現化。遍く人々に版画で芸術の世界を広めた伝説のインド画家ラジャ・ラヴィ・ヴァルマの生涯
●ラジャ・ラヴィ・ヴァルマの子孫、王女ラクミニ。時空を超えて彼女が描く世界。Thus Far 《ラクミニの軌跡》
●パラレルワールドが共在するインドを紐解く③明治維新以降、日本とインドの近代交流史〈前編〉人物から辿る日印航路と綿貿易/からゆきさん/ムンバイ日本人墓地/日本山妙法寺(岡倉天心やタゴールにも言及)
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。