他者の体験談を聞く……というだけで、学びとれることはたくさんある。自分の心さえ、開けていれば。昨日、開催したClubhouse(「男女平等」ってどういう状態? 実例を共有しながら「日本の女性の立場」を考える)を終えて、実感したことだ。
わたしは過去30年以上に亘って、実に多くの人々をインタヴューしてきた。さまざまな職業や国籍の人々。著名人/一般人、初対面/既知に関わらず、話を少し「立ち入って」聞くことにより、自分自身が間接的に学ばせてもらったことは、枚挙に暇がない。自分の経験と、他者の経験を重ね合わせて、自分の方向性を選ぶ……ということも、無意識のうちにしてきただろう。
さらには、2017年からYPOのフォーラムに参加し、月に一度、今やかけがえのない友らとなったメンバー8名で、ミーティングを重ねてきた。昨年はわたし自身も、モデレーターとしてのトレーニングを受け、「生きる上でのさまざまな問題の解決」のためのミーティングの手法を学んだ。
https://www.ypo.org/profile/ypo-forum/
専門家に頼るだけが、問題解決の手段ではない。人の話から学びとることの大切さを改めて実感している。この自身のスキルをオンラインを活用しつつ、うまく役立てられないものか……と思いつつ日々を過ごしている。
さて、昨日開催したClubhouse。有意義な時間だった。使い始めて2カ月あまり。しかし未だに、このソーシャルメディアとの付き合い方は試行錯誤中である。
Clubhouseという環境は、特殊なコミュニケーション空間だ。相手の顔が見えない。素性が定かではない。見知らぬ人たちの話の中に、いきなり飛び込むのだから。
目の前に、無数の部屋がある。表札を見ながら、そのドアを、ノックもせずにいきなり開く。あ、ここ、なんか違うと思ったら、挨拶もせずにバタンとドアを閉じる。次に行く。「おもしろそう」と思ったら、その部屋での会議が佳境に差し掛かっているかどうかも確認せず(できず)、いきなり入って、唐突に前の席に座る。話しかける。
こうして書くと、随分、雑なのだ。その雑さがあるからこその魅力も、もちろんある。ゆえに多分、使い方を工夫すれば、有意義な情報交換の場は作れるような気はしている。
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話題転じて、表題の件。
実は、昨年、AirPodsを買ったのを機に、ポッドキャストを聞き始めた。ところが、日本人の対談やインタヴューなどを聞くときに、途中で耐え難くなってチャネルを変えることが度重なった。原因は、聞き手とされる人の「相槌の多さ」だ。
わたしは30歳まで日本に暮らしていたし、今でも日本の人たちとは会っている。リアルに会っているときも、たまに気になってはいたが、音声だけで聞くと、それが格段に際立つ。とにかく相槌の多さが耳につくのだ。
自分がおかしいのだろうか、と思って調べてみたら……。おかしくはなかった。「日本人」「相槌」で検索したら、たくさん例が出てくる。
今、記憶を遡るに、わたしは『徹子の部屋』での、黒柳徹子さんの対談の仕方が、子どものころから好きだった。彼女は饒舌である一方、相槌が少なく、人の話を遮らず、しっかりと話を聞くのだ。多分、知らずのうちに、彼女の影響を受けてきた。
人にインタヴューするときにも、日本に住んでいた20代のころから、相槌は少なめにしてきた。相手の思考を遮らぬよう、沈黙も大切にしたいと考える。
しかし、それは相手が目の前にいるからこそ、できることなのかもしれない。
昨日のClubhouseで、こちらはしっかり聞いているのだが、相手に「聞こえていないのではないか」と思わせた場面があった。顔が見えない場合には「聞いてますよ」という意味を込めて、適度な相槌は必要なのかもしれない。そのあたり、一筋縄ではいかないなと感じた。
無論、そんなことを気にしている人は、あまりいないかもしれないのだが。
というわけで、余計なお世話かもしれないが、日本以外の国では、頻繁な相槌は、逆に真剣に人の話を聞いていないように思われる場合があるということを、記しておきたく。場合によっては、煩わしさを感じさせ、相手の集中力を削ぐということにもなる。
関心を持たれた方は、「日本人」「相槌」で検索のうえ、対策を練られたし。
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昨日の話題に伴って、資料を整理した。このテーマはまた別の機会に実施しようと思っている。解決策を出すのではなく(そもそも出せない)、参加者が、人の話を聞く……というだけでも、学びとることがあるような気がしてきたが故。ざっとまとめた資料だが、参考になるかと思う。ご興味のある方は、ブログをご覧ください。
【部活/ Clubhouse】「男女平等」ってどういう状態? 実例を共有しながら「日本の女性の立場」を考える
➡︎ https://museindia.typepad.jp/2021/2021/04/ch009.html
ジェンダー? フェミニズム? 日本女性を巡る社会環境の変遷など、わかりやすい資料を集めてみた。
➡︎ https://museindia.typepad.jp/2021/2021/04/japan.html
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