2005年11月10日。16年前の昨日、我々は米国からバンガロールに移住した。
当時のブログ『今しばらくは、インドにて』を紐解けば、いつまでも色褪せない写真が次々と、たちまちの時間旅行。「バンガロール」を英語の発音に合わせて「バンガロア」と表記していたのも懐かしい。
旧空港の雑踏、混沌、喧騒。大量のスーツケース(大半が夫の衣類)を携えて、チェックインしたタージ・ウエストエンドは、緑豊かなオアシスで。怒涛の如くインド生活を軌道に乗せていった日々。
嫌がる夫を説き伏せて、自分でもよくわからない熱情で、インド移住を遂行した。
「半年間はお試し期間」と言いながら、自らをなだめる夫を傍目に、ぐいぐいとこの地での暮らしを構築してきた妻。「何かに取り憑かれていた」としか思えないパワーだった。
本当に、いろいろなことがあった。これからも、いろいろなことがあるだろう。
探るほどに奥深く、知るほどに、知るべきことの多さを知る。
16年前よりも、経験は増えた。知見も深まった。それでも、まだまだ「序の口」でうろうろしている気がするほど、「尽きなさ」を与えてくれるインドという国。退屈するいとまがない。
昨日、夫に尋ねた。
“Do you remember what day it is today?”
少し考えてから、彼は答えた。
“The day we came back to India.”
僕たちが帰ってきた日。
彼がインドに “came back” (帰ってきた)という表現をしたのは、初めてのことだったから、ハッとした。そして、その「帰ってきた」にわたしも含まれているのだと言うことに、しみじみと、心を打たれた。
……これからも、よろしくお願いします。インド 。
🇮🇳『今しばらくは、インドにて。』バンガロール移住当初のブログ
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