昨日は博多駅界隈へ赴いた。昔は、買い物といえば「天神」で、博多駅に行くことはほとんどなかった。しかし、2011年に九州新幹線が開業したのに伴い、JR博多シティや博多阪急が誕生してからは、一時帰国のたびに立ち寄るようになった。なかなかに買い物をしやすい空間が広がっているのだ。
さらには現在、『博多コネクティッド』という大規模なプロジェクトも始動している模様。駅周辺の利便性が高まるようで、将来の帰省が楽しみだ。
思えば博多駅に、毎日のように通った時期があった。大学1年の夏休み、新幹線乗り場内にあった「日本食堂」のレストンランでアルバイトをしていたのだ。1984年、日本のバブル経済萌芽期。「単身赴任」という言葉が使われ始めたその時代、福岡への赴任者も増え、彼らは「博チョン族」と呼ばれた。
博とは、博多のこと。「チョン」とは、「ちょんと一人」とか、「韓国語で独身語を意味するチョンガー」から来ているなどの説があったが、詳しくはわからない。ちなみに札幌への単身赴任者は「札チョン族」と呼ばれていた。
当時の単身赴任者の悲哀をダイナミックに歌った名曲、ユニコーン(奥田民生)の『大迷惑』は最高なので、ぜひ聴いて欲しい! インドに嫌々ながら単身赴任している人にも捧げたい曲だ。
新幹線ホーム構内の日本食堂には、その「博チョン族」が多く訪れていた。また、週末やお盆などの混み合う時期には、新幹線のホームに屋台を出して、サンドイッチやアイスコーヒーなどを販売していたものだ。
新幹線の熱気に包まれて、500円玉とサンドイッチをやりとりしていた熱い暑い夏を思い出す。18歳。まだ見ぬ未来しかなかったな……。
🍻
前置きが長くなったが、昨日のランチは、インド友の柴田氏と。彼と初めて出会ったのは、わたしがミューズ・クリエイションを立ち上げたばかりの2012年。折しも彼は、その年バンガロールに移り、当時発行されはじめていたばかりの『シバンス』というフリーペーパーを、創始者から受け継いで、独自に展開を始めようとしているところだった。つまり、彼は今年でインド生活10周年なのだ。
「柴田」という自分の名前からとって『シバンス』と思われているみたいだが、偶々そういう経緯だった模様。彼がそのフリーペーパーの出版に関わり始めたのは30代前半。わたしもまた、ニューヨークで出版社を立ち上げ、フリーペーパー『muse new york』を創刊したのも30代前半だったということもあり、なにかしらの共通項があった。
無論、わたしは編集や執筆、取材など紙面のクオリティ重視。一方、彼は「広告営業」に力を入れるなど、方向性は異なっていた。しかし、「営業=人に会いまくる」仕事だからこそ、「業種の垣根を越えた意義深い開拓」が実現できたのではないかと思う。
バンガロールからチェンナイ、デリー、ムンバイ……と、インド都市部を次々に攻める実行力には感嘆させられたものだ。
以来この10年というもの、折に触れては、我が家へ「打ち合わせ」と称した「世間話&お茶飲み」に来ていた。ムンバイや東京などで顔を合わせることもあった。現在、彼は、インドと日本関係の仕事のために、日本各地を転々としているということで、今回福岡の仕事のタイミングを合わせてくれ、会うことになった次第。
どうにも、「世間話」ばかりしている印象が強いのだが(無論、この世間話は、お互いの情報交換に有意義でもある)、そこそこ一緒に仕事もしていた。かつては『シバンス』にわたしが寄稿していたこともあったし、バンガロールに来た学生インターン向けに何度かセミナーを依頼された時期もあった。
新しいところでは、2020年、パンデミック世界に突入した直後、Zoomでの『インド・ライフスタイルセミナー』もさせてもらった。それまでは、セミナーを動画化することに抵抗があったのだが、あの経験を契機に、これはありだな、と実感できた。
今回、わたしがそろそろリタイアを考えているのではないか、という謎の懸念があった模様。確かに新居でのんびりしたり、自分の旅行を再開したいとは思っているが、リタイアとは逆で、「そろそろ本気出さな」と思っているところである。
これまでの我が人生、試行錯誤が多すぎた。還暦以降の飛翔を具体化すべく、あと3年は構想&助走の時期と考えている。日本とインドに関わる「坂田マルハン美穂ならではの仕事」を、今後、見極めていく所存だ。というわけで、各方面、よろしくお願いします。🇮🇳🇯🇵
🥂
昨日のランチは、博多駅筑紫口から徒歩約7分の場所にある『WITH THE STYLE』というすてきなホテルにあるダイニング。この店を教えてくれたのは、2007年にFM熊本でレポートを開始した当初のDJだった相越久枝さん。共に食事を楽しんでから13年も経っている。なんという歳月の流れ……。
月曜ながらも店内は込み合い、活気にあふれている。まだまだ日本はマスクを着用率99%という印象だが、このままCOVID-19が収束してくれることを祈るばかりだ。
ランチを終え、博多駅で買い物をする前に、JR博多シティの屋上へ。ここからは、福岡市が360度、展望できるのだ。登った直後は曇天だったが、写真を撮っているうちにも青空が見え始めて、味わい深い雲の広がり。いい季節に帰ってきたと、改めて思う。
帰路、阪急のデパ地下で、寿司や刺身を買って帰る。福岡は、デパ地下の生鮮食料もまた充実していてすばらしい。実家マンションからの夕景もまたすばらしい。
2009/05/26[Fukuoka] 講演会その後/DJ相越久枝さんと「超」楽しい夜!
➡︎https://museindia.typepad.jp/2009/2009/05/post-7.html
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