バンガロールの日本人女性コミュニティの中で話題だというジェラート専門店を訪れた。わたしは、まるで店員のごとく、カラーコーディネイトが効いている。
ジェラート。最近はさほど積極的には食べようと思わないアイスクリーム系であるが、クオリティの高そうなプレゼンテーションに、俄然、気持ちが盛り上がる。
28歳の春、欧州を3カ月、鉄道で放浪したときのことを思い出す。東欧の旅を経て、国境を超えイタリアに入った途端、あたりの空気が陽気に一転した。あれはまさしく、「瞬間的な変化」だった。車掌のアナウンスの、意味はわからないけれど、軽やかで楽しげな声。
気温までも、数度上がった気がしたものだ。節約重視の旅だったが、イタリアでは毎日のようにジェラートを食べた。中でも、複数のベリー類がミックスされた甘酸っぱくフルーティなジェラートが気に入って、店ごとの味の違いを楽しんだものだ。
他の二人がひたすら迷っている間、速やかにベリーとヴァニラを注文。刹那、遠いイタリアの空を思い出しつつ、味わう。おいしい。
シエナ、アッシジ、サンジミニャーノ……。パルマ、ラヴェンナ、フィレンツェ、ヴェネツィア……。
忘れ得ぬ、いくつもの旅の記憶が蘇る。
夫には、ティラミス味をお土産に買って帰ったところ、大喜びで食べていた。
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