一昨日の夜、友人Radhaの邸宅で開かれたパーティに出席した。まるでアートギャラリーのごとく、絵画や調度品が配された、美しいインテリア。Radhaの家づくりに対する情熱が伝わってくる。日本を旅したときに購入したという薩摩焼のお皿も飾られている。日本文化への関心も強い彼女は、わたしが開催した「着物とサリーの比較展示会」にも参加してくれた。
ブータンで購入したという曼荼羅がとても気に入ったので、写真を撮らせてもらった。曼荼羅にもお国柄があるのだということを、当たり前のことながら、しみじみと思う。
ちなみに、この日のわたしは「日本風味」を漂わせるべく、前日に引き続き、またしても浴衣で参上。わたしは浴衣を3枚しか持っていないので、着回し状態。これは、高校時代、体育祭で「盆踊り」に参加するために仕立てもらったもの。香椎の商店街にあった呉服店で、浴衣の反物を選んだ。わたしは子どものころから「椿」が好きだったので、これもまた椿柄である。以前は「古い浴衣」として、クローゼットの奥深くに眠らせていたが、最近では「ヴィンテージ浴衣」として、脚光を浴びさせている。
ワインをいただきつつ、旧知の友、初めて会う方々……と言葉を交わす。中でも、バンガロールの動物保護団体CUPAを創業メンバーであるDr. Shielaとお会いできたのはうれしかった。
バンガロール市内に数カ所の拠点を持つCUPAへは、ミューズ・クリエイション創設以前から、過去3回ほど、訪問している。それ以外にも、CUPAには、野良犬の保護や野良猫の避妊手術の際にお世話になってきた。彼女のハズバンドは、バンガロールで昔から人気のあるアイスクリームショップ、Corner Houseの創業者と知り、これまた感銘を受ける。
わたしが初めてバンガロールを訪れた20年前、今は亡き義父のロメイシュ・パパが「ここのアイスクリームがおいしいんだ!」と、教えてくれた。義父はバンガロールへ来るたびに、Corner Houseを訪れていたことを思い出す。今はどうなのかわからないは、当時はイチゴの季節、期間限定で販売されていたストロベリー・アイスクリームが、ことのほか、お気に入りだった。今ではアイスクリーム店の選択肢も増え、Corner Houseはその中に溶け込んでいるように見えるが、当時は唯一無二だったのだ。
多くのインド人男性は、甘いものが大好き。甘いものが苦手……という人に出会ったことはほとんどない。お酒を飲もうが、食事をたっぷり味わおうが、食後のスイーツは欠かさない。この日も、バーカウンターに集っていた初老の紳士らと混じって話をしたのだが、みな、食後にたっぷりのアイスクリームやケーキをおいしそうに召し上がっている。
「この結果が、このお腹だよ!」と割腹のいいお腹を揺らして笑いながら、しっかり平らげる彼ら。またしても、ロメイシュ・パパのことが思い出される。
「わたしの義父も甘いものが大好きでしたよ。デリーに住んでいたので、冬、訪れると必ずガジャル・ハルワ(冬の北インドで収穫される赤いにんじんを使ったお菓子)が出されるんです。義父は”これは健康にいい”と言って、積極的に食べてましたよ!」
と、話すと、皆、大笑い。
「ガジャル・ハルワに入れる砂糖の量はすさまじいよね。牛乳にバターもたっぷり。ニンジンの栄養価なんて、たかが知れてる。でもおいしいんだよな〜!」
男性一同、深く頷く。屈託がない。
ところで、この夜は、Radhaのハズバンドの出身地であるマンガロールの家庭料理が供された。多様性に富むインド各地の料理。それらの魅力を一番、楽しめるのは「ご家庭の味」だ。外食では口にすることができない、各地、各家庭の味覚がある。
わたしがマンガロールの家庭料理をいただくのは、これが2回目。前回の家庭料理とはまた異なる、しかしこちらも、美味なる料理がたくさん、テーブルに並んだ。
一般のドサは米や豆の粉を発酵させた生地を「香ばしく焼いたもの」だが、マンガロールでは、生地をしっとり柔らかく仕上げた「ニールドサ(Neer Dosa)」が主食のひとつ。Neerは「水」を意味するので、直訳すると水ドサとなる。スパイシーなグレイビー(カレー類)ともよく合う。ちなみに写真の黄土色のトッピングは「ジンジャー入りのチャトゥネ」だとのこと。
ノンヴェジタリアン、ヴェジタリアン、すべてをもれなく味わった。小ぶりのマンゴーを甘く煮込んだ料理は初めての味覚。デザートのごとく甘いのだが、辛い料理とマッチしておいしく、ごはんが進む。なかなかに危険な料理である。
ところで、ここカルナータカ州は広い。南インドでは最大の面積を持つ。州都であるバンガロールは、海のない高原都市だが、西側はアラビア海に面している。バンガロールから水平に西に位置する場所に海辺の都市マンガロールがある。参考までに地図を添付する。マンガロール料理は、山海の幸が豊富で、個性的な料理が少なくない。
以前は、近所にあるMangalore Pearlというレストランをよく利用していたものだ。
話も飛び飛びに、書いておきたいことが尽きぬが、参考までに以下、過去の記録をシェアしておく。
🐟友人宅で、マンガロールの家庭料理をごちそうになる。チェティナードに思いを馳せる。