わたしが初めてバンガロールの地を訪れたのは2003年の終わり。インド移住を念頭に於いての、それは旅行だった。当時のバンガロールで、高級ホテルといえば、タージ・ウエストエンド、オベロイ、そしてITCウィンザー・マナー。できたばかりのリーラ・パレスもあったが、豪奢な割には、突貫工事的な面が目について、伝統的なホテルといえば、前者であった。
当時はまだ物価も安く、ただ宿泊料は年々、あがり、しかしレストランは非常に手頃だった。それが今ではどのホテルも、先進国並みのお値段。10年余りの間の、この国の変化は、暮らしの随所で見受けられる。
さて、IIS(インド科学大学院)のキャンパス内に暮らす義姉一家と会う時には、互いの住まいの中間(よりやや、IISより)にあるITCウィンザーを利用するのが常だ。
特筆すべき、すばらしい! というわけではないが、いつも、無難にそれなりに、おいしい料理が楽しめる。ビリヤニ好きな人には週に一度(曜日は忘れた)、ビリヤニ・ナイトがあり、さまざまな種類のビリヤニが楽しめるのが魅力ともなっている。
最近、シェフが変わったらしく、プレゼンテーションが洗練されていて、前菜のヴァラエティも増えた気がする。
マグロのたたき、などもあって、それなりにおいしかった。
今ではリッツカールトンやJWマリオット、シャングリラ……と欧米外資の高級ホテルが次々に誕生し、ホテル/外食産業もすっかり様変わりした。食のシーンは本当に、豊かになったことだと思う。