昨日は、ランチの帰路、久しぶりにショッピングモールの「1MG」に立ち寄った。
昨年、ロックダウンに入ってからというもの、それまで以上にオンラインでのショッピングが「通常モード」となった。最上階のFoodhallに立ち寄るのは、一年以上ぶりだ。久しぶりに足を踏み入れ、その商品の量の充実ぶりに目を見張る。
バンガロールの老舗スーパーマーケット兼コンビニエンスストアといえば、1962年創業のThom's Bakery & Supermarket。通称トムズ。2010年代の一時期、スーパーマーケットが次々に誕生した時期があったが、この店の「安定感」は不動だった。新しい店が消えても、未だ健在だ。
そもそもケララ出自のクリスチャンが創業したトムズ。西暦52年という早い時期に、インドにキリスト教をもたらしたとされるキリスト十二使徒の一人、聖トマスに因んでの「トムズ」である。ローカルのクリスチャンの中には、この店のことを、故に「トマス」と呼ぶ人もいる。
従業員もみな、ケララ出自の人々。何かしらの安定感があるのだ……と、今日は、トムズの話題ではない。
Foodhallは2012年、小売大手のフューチャー・グループによって創業した、富裕層向け高級スーパーマーケット。当初はムンバイ 、デリー、バンガロールなど都市部のショッピングモールの中にオープン、輸入食料品などを扱ってはいたものの、品揃えは決して豊富とはいえず、陳列棚にもずいぶん「ゆとり」があった。
ところが、昨日久しぶりに訪れて、驚いた。
全体に「非常に密」なのだ。特にFoodhallの独自ブランド、ARQAのスパイスコーナーの充実ぶりには目を見張る。かつてARQAは「アーユルヴェーダ」に特化したスパイスを販売していた気がするが、今や他国からの輸入スパイスも含め、コンディションのよいオーガニックの各種スパイスが並んでいる。
我が家は、自宅で胡椒が収穫できるし、その他のスパイスも少し買えばしばらくもつので、さほど必要ではないのだが、眺めているだけでも楽しくなる。
各地から取り寄せられた、何種類もの季節のマンゴー。ずいぶん手頃な値段になった新鮮な葉野菜各種。インドらしさが漂うシュガーケーン(さとうきび)ジュースコーナー……。インドのロジスティック(物流)事情の向上が、その商品構成を一瞥しただけで感じられる。
店中の随所を撮影して紹介したくなる衝動に駆られるが、自分の買い物をすませて早々に退散。
オンラインショッピングは便利だが、こうして実際にお店を巡るのも楽しい。不要と思われる「回り道」の途中に、新しい発見がある。COVID-19が落ち着いたら、久しく保留となっている「お買い物ツアー」なども実施したいと思う。