ヴァレンタインズ・デー。「女性が好きな男性にチョコレートを贈る」というのは、日本特有の習慣。数年前からインドでも、ヴァレンタイン商戦が賑やかになりはじめたが、それはあくまでも、欧米のスタイルに近いもの。
愛し合うカップルが、花などのプレゼントを交換したり(主には男性が女性へ花を贈る)、あるいは、二人で夕食に出かける。
富裕層や外国人を顧客に持つレストランは、2月14日のみの特別メニューを準備。それにしても、今年のヴァレンタイン商戦は、例年になく、バブルに派手。欧米のそれよりもはるかに、バブル感を漂わせており。
夫がタージグループのインナーサークルのメンバーであることから、バンガロールにあるタージ各ホテルのヴァレンタイン関連のイヴェント情報が届いたらしいが……。
英国統治時代の伝統を引き継ぐ高級ホテル、タージ・ウエストエンドからは、「ディナー&宿泊(1泊)数十万円」という案内が届いたらしく、夫は大いに呆れていた。
我々は、最寄りのタージの、お気に入りのレストランへ。
テーブルのデコレーションがすてき。お店の雰囲気がいいと、気持ちがぐっと盛り上がるものだ。実はここ数週間、なにかとバトルが多発している我々夫婦。しかし、おいしいものを食べているときには、たいてい休戦する。食事はとても大切なのである。
弾き語りの男性に、早速リクエストをする夫。わたしからは、懐かしの"Right Here Waiting For You"(リチャード・マークス)を。夫と出会う遥か前に好きだったラヴソングだが、気にすまい。
料理は4コースメニュー。ドリンクは、スパークリングワインにはじまり、白、赤、白と、選んだ料理に合わせて4杯が提供される。もっとも、グラスになみなみ注がれているわけではないので、わたしたちには、「ちょっと飲み過ぎたかな?」程度の、いい塩梅だ。
貝柱のグリル、マッシュルームとくるみのスープ、鴨のミルフィーユ風、ロブスターのグリル……と、いずれも美味なる料理であった。
外のバーでは、驚くほどに大勢の若者が集っていて、「ドレスコードはミニなのか?」というくらい、超ミニスカートを履く女性だらけで、もう、本当に驚く。
「あんな服、みんなどこで買うの?」と、目を丸くして夫。
今のインド、欧米のファッションと、なんら変わりはないのです。