ミューズ・クリエイションを立ち上げて、あと数カ月で丸4年。毎週のように手づくりお菓子を作ってきたが、当初は金曜日の参加者が15〜20名だったのが、今では毎週30名を超える。
大きなオーヴンで、巨大なカステラ1台とか、巨大なタルト1台とか、大きめを焼いてきたけれど、このごろは2台焼かねば間に合わない。
自分の負担になるのもいかがなものか、というわけで、このごろは手づくり菓子の頻度を落としてはいるものの、自分が、食べたくなる。
ところで先日は、この日が最後の帰任されるメンバーがお二人だったので、カステラを2台焼いた。下の写真がそれだ。
見た目は、以前、セミナー向けに焼いた上の写真のほうが、切り口もきれい。しかし味わいは、しっとりとしていて切りにくい、下のカステラの方が、好評なのだ。
この日は、敢えて見た目よりも味を選び、2台とも、しっとり焼いた。いつもより、オーヴンのそばにいて、注意を払いながら、気持ちを込めて焼いた。
それでなくても、不安定な電力供給のインドでは、その日によって設定温度と実際の温度が異なる。だから、注意してみていないと、温度が高すぎて少し焼けすぎたりするのだ。
素材はいつもと全く同じだが、微妙ながらも味の違いが、食べる人にもわかったらしく、好評であった。
これは遠い昔日、夫と行ったポルトガルのリスボンで食べた、カステラの起源「パオ・デ・ロー (Pao de Lo)」に似ている。出会って直後から、カステラ好きとなった夫も、カステラのオリジンに興味を持ち、二人でリスボンを歩き回り、パオ・デ・ローを探したものである。懐かしいものだ。
ちなみにパオ・デ・ローは、円形で、カステラよりもきめが細かく、しっとりとしたスポンジケーキであった。
★ ★ ★
この日、参加者はわたしを含め32名だったので、ぴったりの32切れを焼いたのだが、蓋をあけたら36名! だれだ、連絡をせずに来ているのは! 最早、クラス担任のような状況だ。
……と言いながら、足りなかった人は、カステラの端を食べてもらい、実はそこがまた、おいしい。
もちろん、マイハニーにも、カステラの端をたっぷりと残しておいた。なにか残しておかないことには、超不機嫌になってしまうので。