今夜のおかずは、Freshtohome.comで注文した丸ごとバターフィッシュ1キログラムを捌いて……と、料理の話に入る前に。
日本のアマゾンで注文した本が、今朝届いた。先日の「インド百景2017」に記した土井善晴著『一汁一菜でよいという提案』。在庫があれば1週間以内で手元に届く。送料がかかるとはいえ、便利な世の中だ。
併せて彼の料理本。パラパラとめくるだけでも、実用的ですぐにも試したい料理及び料理法が飛び込んでくる。日本の食材が中心だが、インドでも十分に応用できる。
それから、以前から欲しいと思っていた『自家製しよう!』も入手。これは、かなり魅惑的。豚の塊肉を使った料理の充実もうれしい。いろいろと試してみたいところだ。
まずは、『一汁一菜でよいという提案』を、読んだ。いい本だ。内容に言及すると延々と書き募ってしまいそうなので触れないが、ともあれ、海外駐在をする日本人は、男女を問わず一読すべし、と思った。日本米と味噌と醤油。加えて「だし」があればなんとかなる。なんとでもなる。ということを、改めて思う。
食に限らぬ、日本の風土、四季、環境……。はるか昔から育まれてきた伝統の中にある、日本のよさ、というものを再認識させられる。そしてキーワードのひとつは、「持続可能」。日本語にしにくいところの、「サステイナブル」な、暮らし。
そして本全体を通して、わたしが個人的に受けた印象は、日本の食に対する「危機感」。危機回避のための、一汁一菜という提案にさえ、思えた。
ともあれ早速、味噌汁用の腕を出し、これから日々、使おうと思う。インド人ながらも、夫が日本料理を好み、外食続きの旅から戻ったあとなど、わたしがご飯と味噌汁を準備すると「あ〜、ほっとするねぇ」などと言ってくれるので、そのあたり、ありがたく。
わたしは、魚の捌き方も、扱い方も、きちんと学んでわけではなく、さらにはネットでちゃんと調べたわけでもなく、本当に自己流に適当にやっている。この切り方もかなりの邪道だ。ゆえに、人に堂々と見せられるものではないが、それはそれで、なんとかやっているという現実のアピール。
ちなみにこのバターフィッシュ、骨が少なくて捌きやすい。
調理をしていたら、猫らが集合していた。視線に圧を感じる〜! でも、この魚は人間用。あなた方には食べさせられません。
一部は冷凍保存して、残りを煮付けにしてみた。2切れは、翌日の弁当用に。頭の部分が、殊更においしい。バターとの名がついているだけあり、身が柔らかくて旨味がある。ごはんが進む。
野菜はオーガニックのピーマン。ひたすらピーマン。青椒肉絲(チンジャオロース)の青椒のみ! ごま油で炒めて塩胡椒するだけでもおいしい。かつおぶしなどをまぶして醤油をさっとかけたりすれば、なお、よい。これまた、ごはんが進む。
あとは、シンプルに玉ねぎを入れただけの、味噌汁を。
『一汁一菜でよいという提案』を読んで、すぐさま奥の方から取り出した、漆の椀。子供のころ、両親が購入したセットのうち、2椀を譲り受けてきたのだ。わたしが小学生だったころ。この椀を買うとき、選択肢が2、3種類あったのを、母からどれがいいか尋ねられ、わたしはこれがいいと選んだのだった。
紅椿。本当に美しい、日本の伝統工芸。
この本は、食にとどまらず、諸々考えさせられる点が多く、それはまた、心静かなときに、『インド百景』ブログに、記したいと思う。