Dinner at the other funky area in Lower Parel. Mathuradas Mills Compound.
1850年代以降、ムンバイは綿紡績工場が次々と建設され、インド紡績業(各種テキスタイル)の中心地であり、世界有数の貿易港でもあった。タタ・グループの創始者、ジャムシェトジー・タタもまた、ムンバイに綿紡績工場を設立。綿貿易のビジネスを始めたことで、インド有数の財閥に成長した。神戸とムンバイが綿貿易で結ばれた契機も、ジャムシェトジー・タタの働きによるものである。
1991年、インドは経済危機を契機に、印パ分離独立以降から続いていた社会主義型計画経済から自由経済へと転換を図る。そこから今日に至る経済成長が始まるわけだが、ムンバイにおけるミルズ (Mills)と呼ばれる紡績工場の再開発もまた、そのころから徐々に始まった。
南ムンバイで最も大きいショッピングモール・コンプレックスのHigh Street Phoenixはその先駆的存在だろう。そして最近では、南ムンバイ、特にロウアー・パレルやウォルリ界隈に点在する大小のミルズにおいて、再開発が進んでいる。新たな建築物が建てられている一方、古びた建物を再利用しているものも多く、廃屋が息を吹き返したような風情の店舗も少なくない。
夕べ訪れたこのレストラン界隈もその一つ。汚いんだかファンキーなんだかわからない、足場の悪いエリアを歩きつつ、暗闇だった場所に光が当たり輝く様子の躍動感が、本当におもしろい。
— at Café Zoe.