『インドのライフスタイルセミナー入門編』においては、主にインドの多様性を説明する。コミュニティやカースト、経済力、地方、宗教……とさまざまな要素があるなかで、極めて特徴の強いコミュニティの一つに「マルワリ (MARWARI)」がある。ラジャスターンはジョードプル界隈を源とするマルワリ。インドでも最強のビジネス・コミュニティだ。
昨夜は、マルワリの友人夫妻の邸宅に招かれ、おいしいリオハのワインと食事をよばれた。マルワリの人たちは、ヴェジタリアン。ヴェジタリアンと一口にいっても、マルワリ独自の料理がある。豆粉や雑穀がブレンドされたヘルシーなチャパティ。グジャラート地方の野菜によるおかずなど、どれも滋味に富んでいて、おいしかった。
マルワリの人々は食生活を非常に重要視することでも知られる。富裕層のマルワリは、たいてい自宅に「マハラジ (MAHARAJ)」即ち小さな王様、と呼ばれる専用のシェフを抱えており、旅行にさえ、シェフを同行させる人たちもいる。
無論、これはマルワリに限ったことではなく、「家庭の味」を重視する人が多いインドでは、決して珍しい話ではない。
このごろは、インドの食関連について語る機会が多かったのだが、まだまだ口にしたことのない地方やコミュニティの料理がたくさんあることを省みる。もっといろんな場所を訪れて、いろんな土地の食事を体験してみなければ……と、改めて思う。
マルワリの食文化をレポートしたウォールストリートジャーナルのこの記事、興味深い。2010年のものだが、インドの食に関心のある方には、一読をお勧めする。