健康的な食生活に関する情報が溢れる現代の暮らし。いったい、何が身体にいいのか悪いのか、わからなくなることもある。
しかし、考えてみれば、人間は動物。人間を取り巻く「モノ」は進化し続けていても、人間の身体は、昔から、そうそう変わったわけではない。即ち食生活は「先端」である必要はない。
その土地その土地の風土に育まれ、そのときどきの気候や、個々人の体質に合った食べ物を、なるたけ自然に近い状態で、摂取するのがいいように思う。
今日は、夫婦揃ってYPOのイヴェントに参加すべく、バンガロールに昨年オープンしたフィトネスクラブへ。オーストリアを拠点とするホリスティック療法機関、VIVAMAYRのドクターによる講義のあと、理念に基づいたランチが提供されるプログラムだ。
ホリスティック療法とは、西洋医学の利点を生かしつつ、各国の伝統医学を取り入れたもの。病気をピンポイントで治療するというよりは、ライフスタイル全体を見つめ、個々人の自然治癒力を高めながら治療を行う。
インド5000年の伝統医学であるところのアーユルヴェーダもまた、ホリスティック療法に重なる点が少なくない。
ドクターの話には、深く頷くところもあれば、そこまでストイックにはなれないと思う点もあり、自分自身で取り入れるべきを吟味せねばと感じた。
基本的なポイントは、昔から、遍く一般に言われている「よく噛んで食べる」こと。よく噛んで栄養を取り入れ、脳に味覚のシグナルを送る。
その見地からいえば、わたしが毎朝作っているコールドプレスのニンジンやザクロ、レモン、スイートライムなどのヘルシージュースは、勧められないようだ。
野菜や果物はジュースにするのではなく、しっかり噛んで摂取した方がいいとのこと。わからないでもないが、ここ数年、ジュースは身体にとってよい気がしている身としては、やめてしまうには忍びなく、回数を減らして、ときどきはニンジンをぽりぽりと囓ろうと思う。
その他、水をたっぷり摂取した方がいいとか、1日の食事はなるたけ少量を4、5回にわけて食べた方がいいとか、アルコールは毒でしかないとか、知っているけれど、実践が難しいアドヴァイスをいくつか受ける。
我が家では、普段から加工食品をほとんど食べないし、昨今では外食も少ないし、極めてシンプルに素朴な料理を食べるようにしているが、まだまだ改善の余地はありそうだ。
遺伝的にコレステロール値が高く、若いころから毎日、薬を服用している我が夫にとっては、本来はヴェジタリアンな食生活が向いているとも実感している。これは、なかなか踏み切れない。
ちなみに、先日、帯状疱疹を発症して以来、わたしはアルコールを欲しなくなった。あれほど毎晩、ビールだのワインだのを飲んでいたのに、この20日間で飲んだのは、先週末の白ワイン1杯だけ。
かといって、断酒するつもりはなく、ただ頻度はこのまま減らしたほうがいいような気がしている。億劫にならない程度に、楽しめる範囲内で、「身体にいいこと」を取り入れていこうと思う。
ともあれ、「よく噛む」ことは、すぐにもできる。すぐに忘れるのだけれど。「ながら食事」をするのではなく、食べ物の味覚に集中して、しっかりと咀嚼して、おいしく楽しく、料理を食べよう。