わたしにとって、バンガロールで最もお気に入りの場所が、またひとつ増えた。ここは間違いなく、これからもしばしば、訪れることになるだろう。
貧困層支援の慈善団体創設者であり、実業家であり、ソーシャルアントレプレナーでもある友人マノージ。彼が20年以上に亘って構築しているソーシャル・エンタープライズのARAKU COFFEEが、パリのマレ地区に次いで、インド1号店を、バンガロールのインディラナガールにオープンした。
先月、身近な関係者だけが招待されてのソフト・オープニングのパーティに足を運んだことはすでに記したが、昨日、オープン後、初めて訪れた。
マノージが手掛けるビジネスのひとつ、ARAKU COFFEEについては、昨年から何度か紹介してきた。『ミューズ・チャリティフェスト2020』のために、マノージが撮り下ろしてくれた動画をご覧になった方もいるだろう。
南インドのアンドラ・プラデーシュ州、ヴィシャカパトナムにほど近い「アラク・ヴァレー」という風光明媚な場所にて、コーヒー農家を支援しつつ、極めて良質なコーヒーを生産するARAKU COFFEE。
良質のコーヒーの生産、農家支援、職業訓練、雇用機会の提供、環境保護、オーガニックの食材、国産品によるインテリア、グローバル・スタンダードの品質管理、トップクラスのマネジメント……。
一方で、日本を含むコーヒー器具類をも販売するなど、そのディスプレイも上品かつ心地よい。一隅にはライブラリーもあるなど、たいへんな読書家でもあるマノージのセンスが随所に鏤(ちりば)められている。
夫とマノージとは、グローバル組織であるアスペン・インスティテュートを通して出会った。マノージは、夫が属していたグループのモデレーターだったこともあり、夫は彼の人柄や生き様はもちろん、バイタリティ溢れる行動力に、強い敬意を抱いている。
🌱The Aspen Institute
https://www.aspeninstitute.org/
ARAKUは、そのビジネスモデルそのものが特筆すべきで、Social Enterprise(社会問題解決を目的として収益事業に取り組む事業体)としても知られており、インドのメディアでもしばしば取り上げられている。
なお、ボードメンバーには、バンガロール拠点IT大手インフォシスのセナパティ・ゴパラクリシュナンや、マヒンドラ・グループ(財閥)会長のアナンド・マヒンドラらも名を連ねる。
ビジネスモデルに関心のある方には、ぜひARAKU COFFEEサイトのEXPLOREの項目を見てほしい。また、複数メディアに紹介されているので、以下、リンクをはっておく。もちろん、コーヒーの味も試してほしい。個人的にはMICRO CLIMATEが好きだが、いろいろ試されることをお勧めする。
❤️Naandi Foundation
https://www.naandi.org/
❤️ARAKU COFFEE
https://www.arakucoffee.in/
📚First look: All you need to know about Araku’s first café in India
お店の紹介は、このVOGUE INDIA にて、とてもすてきに紹介されている。ビジネスモデル含め、関心のある方は、ぜひご覧ください。
https://www.vogue.in/culture-and-living/content/araku-coffee-first-cafe-in-india-bengaluru
📚New in Bengaluru: ARAKU Café raises the bar for coffee shops in the country
https://www.cntraveller.in/story/new-in-bengaluru-indiranagar-araku-cafe-raises-the-bar-for-coffee-shops-in-the-country/#s-cust0
⇧DARK & STORMY/ コールドブリュー・コーヒーに、ほのかなスパイスとシトラスを加え、炭酸水で割ったコールドドリンク。さっぱりと、しかしコーヒーの香りがほどよく、食事にも合う。
⇧開店から1週間足らず。すでに若い世代を中心としたゲストで賑わっていた。
⇧上階は、コーヒーのテイスティングが楽しめるコーナーがあり、ミーティングルームなど、パーティなど貸切にも対応できるスペースも備えている。
⇧つい長居をしてしまいたくなるライブラリーのコーナー。ひとりで外食をすることが多いわたしにとって、このような空間は、本当に幸せ。
⇧食事もさることながら、コーヒー専門店につき、コーヒー関連のメニューが非常に充実している。全種類を試してみたくなる。
⇧これは1カ月前のソフトオープニングのときの写真。右下の女性は、コーヒーのクオリティの鍵を握っている米国人のコーヒースペシャリスト、マリア。
⇧こちらも1カ月前の写真。料理やスイーツは、ムンバイで、今、最も人気のあるレストランMASQUEを経営する女性起業家、アディティの監修によるもの。ヴォーグのサイトに写っている右端の女性だ。シェフはかつてMASQUEで働いていたラーフル。コーヒー風味のソフトクリームは甘すぎず、ほどよいミルクのコクとコーヒーの香りがいい塩梅。普段はブラックで飲むのだが、甘みとベリーの風味が個性的なBLACK FORESTも、とてもおいしかった。
🍽Masque Restaurant
https://www.masquerestaurant.com/
⇧こちらは昨夜の写真。一人で訪れたから、あまり食べられないと伝えるのだが、シェフのラーフルが前菜からデザートまで、勧めてくれる。ビーツのサラダとマスカルポーネのムース風。まるでおやつのようでもあり。新鮮なアレギュラ・サラダは独自の近郊農家で栽培しているとのこと。敢えてエビの頭をつけているというグリルも、わたし好みの味。なにより印象的だったのは、この中東のデザート。ぜひ試してみて欲しい。
↓ ↓ 以下は1カ月前の記録より抜粋 ↓ ↓
スタッフの女性に誘われ、店舗奥の、ライブラリーにて。タイプライターを前に、一人の男性が座っている。なんというのだろう、彼のような人を。
人の言葉から、詩を紡ぐ人。
「あなたの人生で大切なことと、そのエピソードを話してください」と尋ねられたので、コーヒーのソフトクリームを試食しながら、
「旅」
と答えた。
20歳のときに初めてロサンゼルス空港に降り立った時に人生が変わったこと、その後ニューヨークに渡って夫と出会ったこと。これまで無数の土地を旅してきたけれど、インドにたどりついたこと。そして今もまだ、毎日が旅の途中なのだということを、話した。
そうしたら、彼は丁寧に、ポストカードをタイプライターに挟み込んで、パチパチと一文字ずつを、打ち始めた。
そして、この詩をくれたのだった。
ソフトクリームを食べながら、思わず泣きそうになった。なんだかもう、いろいろなことが、ツボすぎる。
そして毎度おなじみ漢字短冊とミューズ・クリエイションのオリジナルTシャツをお土産に渡したら、ことのほか喜ばれた。なんでもマノージのお嬢さんが、今、日本語を勉強中だとのこと。ARAKUコーヒー自体が日本と深い関わりを持っていることもあり、ご縁は繋がる。
☕️ARAKU COFFEE/ 高品質オーガニックコーヒーを生産するソーシャルアントレプレナー。アラク・コーヒー創業者マノージが語る日本との関わり/撮り下ろし
☕️南インドのコーヒー文化/伝統的なサウスインディアン・コーヒーとその楽しみ方/良質なコーヒーの新潮流/インドで購入できるコーヒー豆や、おすすめのカフェなど
☕️通販を賑わせるおしゃれな手工芸&天然素材のマスク/農家支援のワールドクラス高品質コーヒー ARAKU COFFEE
☕️Araku coffee's make in India push | Co-Founder Manoj Kumar EXCLUSIVE | India Revival Mission