🎄今年の年末は、自らパーティを企画せず「受け身」で過ごすつもりだった。新居のために購入した調度品などが家の随所に配され落ち着かないなか、クリスマスツリーも飾らずにいようと思っていた。
ところが諸々の経緯で、明日25日のクリスマスには日本人の友ら数名を招き、とても小さなクリスマス会をすることになった。
昨日、友人宅でチベット料理のランチをごちそうになった帰路、食料品を調達するために、老舗スーパーマーケット「トムズ・ベーカリー/Thom's Bakery & Supermarket」、通称トムズに立ち寄った。
昨今では、9割以上の食料品をオンラインで購入しているが、ケーキ作りに必要な「生クリーム」と「いちご」だけは、自らコンディションを確認する必要があった。
移動の車中で久しぶりにClubhouseのインド関連のお部屋にお邪魔したところ、インドのクリスマスの話題だった。インドにおけるクリスマスの様子やサンタクロースについて、はたまたプラムケーキや生クリームの話題などが出ていたので、買い物のついでにトムズの店内を撮影した。
バンガローリアンなら誰もが知る、ごちゃごちゃとした、昔ながらのスーパーマーケット。所得階級の差を問わず、多くの人々に愛されている同店の背景や特徴などを記しておく。
◉バンガロールの老舗スーパーマーケット兼コンビニエンスストアといえばトムズ。ケララ出自のクリスチャンにより1962年に創業された。従業員もまた、その大半がケララ州のクリスチャン・コミュニティが出自だ。
◉西暦52年という早い時期に、インドにキリスト教をもたらしたとされるキリスト十二使徒の一人、聖トマスに因んでの「トムズ」だろう。ローカルのクリスチャンの中には、この店のことを、故に「トマス」と呼ぶ人もいる。
◉創業当初は、ベーカリー&カフェだったこともあり、素朴な味わいのパンやケーキ、スナック類が豊富。「昭和テイスト」なドーナッツが安くて美味。毎週金曜日のミューズ・クリエイションの集いの日には、お菓子を焼いてきたが、自分で作らないときには、トムズのドーナッツを買い、ふるまったものだ。
◉店内には生鮮食品や乳製品、加工食品、各種調味料に日用消費財とあらゆるものが揃っている。リカーショップも併設されており、新銘柄のアルコールは大抵入手できる。売れ筋の商品については、店のお兄さんに聞くと的確に教えてもらえる。リカーコーナーはパンデミックの間に改築されてきれいになった。AMRUTのシングルモルトFUSIONやワイン、ビールなどを調達する。外には果物店もあるなど本当にコンビニエンス。
◉2010年前後、バンガロールでは、小売業のテストマーケティングが全国の都市部に先んじて行われ、数々のスーパーマーケットの旗艦店が一気に林立した。トムズの行く末を案じたものだが、杞憂だった。新しいスーパーマーケットが数年のうちに淘汰されても、昔と変わらぬ風情のまま、多くの人々に利用されている。
◉イースター、そしてクリスマスの時期には、普段に増して込み合う。昨日も、店内に入った途端、2005年に初めて訪れたときと変わらぬ世界が広がっていた。創業当初から変わらないのであろう、そのクリスマスケーキ(プラムケーキをアイシングでコーティングしたもの)の風情に、毎年、安心させられる。
◉この界隈のクリスチャンにとって、クリスマスケーキといえば、昨日アンソニーが贈ってくれたこの茶色いプラムケーキなのだ。ドライフルーツやナッツ類が入ったもので、ラム酒の風味が利いているものもある。
◉このほか、クリスマスの時期に食べられるローズ・クッキーやKulKulsと呼ばれる菓子類なども山と積まれている。十年以上住んでいつつも、食べたことのないお菓子も少なくない。
◉バンガロール在住、クリスチャンの画家、ポール・フェルナンデス氏の本に描かれた1970年代のトムズ。パンタロン姿の男女が、時代を映している。我が家の近所には、彼のショップ&小さなミュージアムがあり、バンガロール土産に好適な絵画やグッズもある。以下の記録は、彼の講演を聞きに行ったときのもの。
◎昔日のバンガロール、ゴア、ムンバイの情景を慈しみ描く。
➡︎ https://museindia.typepad.jp/2017/2017/11/paul.html
◎aPaulogy Gallery
➡︎ https://apaulogy.com/