デカン高原の南。標高900m超に位置するバンガロールに、夏が来た。青空は澄み渡り、日射は眩く鋭く、空気は驚くほどに乾く。
そんな青く乾いた日曜の朝。空港の北、ヤラハンカの新居からは車で約30分ほどの場所にあるオーガニック・ファームの見学に訪れた。英国統治時代の面影を残す、情趣豊かなファームハウスの周辺に、小規模ながらも手入れの行き届いた、アットホームな畑が広がる。農園を営む一家の娘さんが、園内を案内してくれる。
椰子の大樹に絡みつく胡椒の蔓。我が家(旧居)の庭にもあり、毎年のように収穫してきたが、この胡椒の繁茂はダイナミック。上の方の実を取るのがたいへんそうだ。
COVID-19パンデミックで、ロックダウンに入ったころ、自宅の庭を本気で農園にしたいと思った。新居の庭の一隅を農園にすること、そして鶏や牛さえも飼いたいと思った。牛は無理でもヤギくらいは飼えるのではないか……と考えるほど、大地と触れ合う暮らしの重要性を実感したのだ。
わたしと同じように思う人は多かったようで、パンデミックの最中、自宅の庭に農園を作る人が、急増したのだという。自分で育てた野菜や果物を食することの、なんと豊かで贅沢なことか。
人間、なにはともあれ、健康第一。その健康を育むのは「食」。
・ナスやセロリの収穫を体験
・りんごの味がするバナナ
・マリーゴールドと共生する野菜
・ニームで作る自然の農薬の力
・それぞれに薬効豊かな数々のハーブ。スーパーフード
・パッションフルーツやジャックフルーツの実り
・親指ほどの小さなマンゴー
・牛の糞や尿で作る肥料
・自宅での堆肥づくり(コンポスト)
・コンポストや土を「素手で混ぜて」土作り
・養蜂の様子を学び、蜂蜜を舐める
・子牛に餌を与える
・新鮮な野菜を使ったサラダがおいしいランチ……
畑は命の源で、天然の薬の宝庫だ。自然の恵みをありがたく享受していれば、病は自ずと吹き飛ぶということを、改めて実感する。
昨日のまた、たくさんの学びを得た。旧居の庭では、胡椒が収穫できるほか、ハーブやパパイヤなどを育てたこともあった。しかし、いずれも中途半端のまま。新居の外庭は非常に広いので、一部を農園にしようと考えている。去年5月に新居が完成したものの、まだまだ進化の最中につき、ぼちぼち環境を整えていこうと思う。
パンデミック以前、ミューズ・クリエイションでは、慈善団体訪問やチャリティ・バザールだけでなく、さまざまなアクティヴィティを実施してきた。サリーを着てのランチ会、日系企業の工場見学、ビジネス勉強会、手漉き紙工房の見学、水耕栽培の農場訪問、駐在員夫人の社会復帰に関する座談会……。思い返すに、本当に充実した活動を重ねてきた。
今は、わたし自身の方向性も見極めつつ、次のステップを模索中ではあるが、このような家族揃っての農場見学もまた、全身で大地のありがたみを感じられて、とても有意義だと再確認。
かつてのような「毎週の活動」は難しいが、せめて「月に一度」は、何らかのアクティヴィティを再開しようと改めて思う。
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🌸インドの農業やオーガニック事情、水耕栽培の現在など、これまで幾度となく、記してきた。コンポスト、ゴミ処理、環境問題、農業、フィランソロピーといったテーマについては、『深海ライブラリ』ブログに複数の記事をまとめているので、関心のある方は、ご覧ください。
🌏土に触れて、宇宙を思う。食、健康、美容、エコ、ゴミ、有機、農業、衛星……。
https://museindia.typepad.jp/library/2021/06/earth.html