このところ、食の記録がおざなりになりがちだ。一日三食しっかりと食べてはいるが、若いころに比べれば、食に対する情熱や欲求が落ち着き、アルコール摂取量も激減した。かつては毎晩のように飲んでいたワインも、ここ1、2年はパーティなどのときを除いて、飲まなくなった。一方で、日本酒がおいしく感じ、数日に一度、口にする。今のところ一番気に入っているアルコール飲料だ。🍶 日本からのお土産歓迎だ😸
年齢を重ねるとともに、わたしの体調も嗜好も、少しずつ変化してきた。
◉20代/東京での過酷な生活環境、荒れた食生活&喫煙
◉30代前半/NYでの外食中心、食べ過ぎな日々と増量
◉30代後半/結婚後のワシントンDC。健康的な家庭料理を作り始めるも体重は減らず、インド移住直前に減量
◉40代〜/アーユルヴェーダなどの影響を受けて健康志向に。食品添加物、加工食品の摂取が激減
◉50代〜/年々、シンプルに健康的な食生活に移行するも増量傾向。2年前に一念発起して数kg落とす
20代のころの食生活を、今のわたしが2、3日でも再現したら、体調不良でダウンするだろう。「24時間働けますかっ?! (by 時任三郎)」な「リゲイン」飲みつつタバコ吸いつつコンビニ弁当を食べて超睡眠不足。激務の日々を過ごしていたあのころ。若いから誤魔化せていたが、すさまじかった。
さて、普段は、食べたい食材を買い、適当に料理をするのが常だが、たまに「月光ライブラリ」に並ぶ料理の本を引っ張り出して、パラパラとめくってアイデアを得る。このところ、料理に関して新たな知識を加えていなかったと思い出し、土井善晴氏の『名もないおかずの手帖』をパラパラとめくる。
2017年5月、ミューズ・クリエイションのメンバーに「ごはんと味噌汁とおかず。一汁一菜でいいのよ……」と、語っていたとき、ひとりのメンバーから『一汁一菜でよいという提案』という土井善晴氏の書籍があると教わり、早速、レシピ本も含めて3冊、購入したのだった。
『一汁一菜でよいという提案』は、「料理のレシピの本」ではない。日本に生まれ、日本の気候風土に育まれた人間にとって、どのような食生活がふさわしいのか……ということを、丁寧に教えてくれる。購入当時も記したが、この本は老若男女問わず、ぜひ読んでほしいと強く思う。読めば、多分、食生活に対する考え方が変わる。いや、目覚めるだろう。
さて話を『名もないおかずの手帖』にもどす。
一昨日のこと。この本をパラパラとめくっていたとき、「高野豆腐のオランダ煮」が目に飛び込んできた。以前は目に止まらなかったのだが、今回は妙にそそられる。ちなみに我が夫は昔から高野豆腐が好きで「Hairy Tohu (毛深い/ふさふさした豆腐)」などと食欲をそそらない呼称をつけ、喜んで食べている。ちなみに昨今のインドでは、日本米や味噌なども十分に満足できるものが身近に入手できるようになったので、一時帰国時に購入する日本食材は激減した。
ちなみに、過去にも幾度となく記してきたが、わたしはグルタミン酸ナトリウム (MSG)、すなわち「アミノ酸等」と表記されている調味料(味の素)が苦手なので、極力避けている。苦手というより、摂取しすぎるとアレルギー反応が出る。しかし、日本滞在中に、味の素を避けるのは極めて困難なので、免疫をつける意味でも100%排除しているわけではない。が、インドへ持ち帰るものには、敢えて選ばない。ゆえに、加工食品は自ずと消去される。
となると、乾物などがメインとなる。日本では、良質の昆布や海苔、湯葉、高野豆腐、鰹節、天然出汁の素などをまとめ買いしている。高野豆腐は常にある。というわけで、この「オランダ煮」を作ってみたところ……おいしい! 水に戻した高野豆腐を軽く押さえて水気を切り、小麦粉をまぶしたものを揚げて、だし汁で煮つけるだけ。これがもう、本当においしすぎた。高野豆腐とは思えないクリーミーな歯応えで、揚げ出し豆腐よりもむしろ、味わい深い。
せっかく油を使うのだからと、ナスやオクラも揚げた。普段、オクラが好きではない夫も、これはおいしいとモリモリ食べる。ご飯が進みすぎて困る。たくさん作ったが、2日間で食べ尽くした。ところで、その数日前のACT MUZの際、学生たちとランチを食べたのだが、そのときに「トマトの卵炒め」を作った。シンプルながらも好評だったそのレシピもまた、『名もないおかずの手帖』にあったもの。極めて簡単ながら、そこには確かな「コツ」が記されている。ここにレシピをシェアするのは憚られるので、この本、購入されたし。
食に関してもまた、書きたいことは尽きぬ。このところ、「取りこぼされた記録」の中に、多くの食生活にまつわる写真や記録が多々ある。そろそろ『インドでの食生活と健康管理』のセミナーも実施したいところだ。以下の食専用ブログに、インド(バンガロール)での食生活に役立つ記録を残しているので、参考までに。
🍠最後の写真は先ほどふかしたサツマイモ。若者らが、バンガロールではおいしいサツマイモが入手できないと言っていたが、「そこそこに、おいしい」ものなら手に入る。旨味や甘みが足りない時は、軽く潰してバターと塩を加えたり、あるいはジャガリ(天然の糖)を軽くふりかけて食べるのもおいしい。軽く潰したものをバターで焼くのも香ばしくておいしい。
◉ANNAPURNA ~マルハン家の食卓~
アンナプルナとは、サンスクリット語で「たくさんの食べ物を供する豊穣の女神」を意味します。
https://museindia.typepad.jp/eat/
🇯🇵真に健康的な日本料理を、日常の食卓に。Truly healthy Japanese cuisine for daily meal, again.
https://museindia.typepad.jp/eat/2017/04/health.html