Finally, for the first time, I visited “The Only Place", today!!💋
バンガロールの老舗「洋食」レストランといえば、The Only Place。バンガローリアンなら誰もが知る、ビーフステーキが有名なレストランだ。
そんな有名店ながら、今日わたしは初めて、この店を訪れた。我が英語の先生であり友人であるシブ、そして彼女の娘であり、今年の前半、わたしのもとでインターンシップをしていたピクシーと3人でランチを楽しんだ。彼女たちにとってはもう、昔から行きつけの場所。いつか一緒に行こうと言いながら、機を逸したままだったのだ。
わたしはシャトーブリアンの「ミニ」を頼んだが、しっかりどっしり大きいサイズ。ミディアムレアがほどよい歯ごたえでおいしい。満腹なのだが、昔ながらのパイがお勧めだということで、シブはアップルパイを、ピクシーとわたしはストロベリーパイを注文。カスタードクリームもたっぷりと、しっかり甘く、素朴なおやつ。
バンガロールに13年以上も暮らしていながら、初めて見るバンガロールの断片に、いにしえのこの街を偲ぶ。
* * *
バンガロールがコスモポリタンな街である理由は、英国統治時代の影響が多大だ。多くの英国人が暮らしていたこの街には、ビール工場(現在のUB〜United Brewery〜シティがある場所 )がつくられ、日曜の教会での礼拝のあとにランチを楽しむ「サンデーブランチ」の文化が育まれ、牛肉が食され……と、他のインドの大都市とは異なる独自の文化が育まれてきた。
70年代から「パブ・シティ」とも呼ばれ、古くからアルコールに寛大な街でもあった。現在では、たがが外れたように、ブリュワリーがあちこちにオープンし、パブやバーが乱立し、アルコール三昧な街に拍車がかかっている。
……などとバンガロールの背景について書き始めると尽きないので、この辺にしておく。
現在はミュージアム・ロード沿いにあるこの店。そもそもは、ブリゲイド・ロード沿いにあった「レジェンド・ゲストハウス」というホテルが端緒だと聞いたので、背景を知りたく、サイトを開いて調べてみた。
1965年にオープンしたというそのホテル(わたしの生年と同じ!)。ダイニングで出していたステーキやバーガーなどの料理は、米国人をはじめ、外国人の間でも人気を集めていた。1970年代に入り、ピザやパスタも供し始めたという。
記事の中に、面白い一文を発見した。当時、この店の常連客に、日本人男性がいたという。彼がある日、紙切れに唇💋の絵を描き、このダイニングのことを”The Only Place” (唯一の場所)と呼んだことから、この店名とロゴになったのだという。
1970年代、バンガロールに赴任されていた日本人男性。どんな方だったのだろう。興味深い。
1980年代に、現在のロケーションであるミュージアム・ロードに移転したようだ。我が夫アルヴィンドが子どもの頃、義父が転勤でバンガロールに暮らしていた時期、彼ら一家もしばしば訪れていたという。当時、重要な社交場のひとつであったバンガロールクラブからもほど近く、友人ファミリーと過ごすのにも好適な場所だったようだ。
The Only Placeでは、ホットコーヒーが出されないので、食後は3人でバンガロールクラブに場所を移す。コーヒーを飲みつつ、語りつつ、インドでの、我が歳月の連なりの長さにも、しみじみと感じ入る午後だった。
2018年も、まもなく幕を降ろす。