思えば、子どものころから、「いちご」及び「いちごをモチーフとしたなにか」が好きだった。いちごの形のハンドバッグとか、いちご柄のハンカチとか、いちごの絵皿とか。いちごに練乳をかけて食べるのが、殊の外、好きであった。
夫と出会ったばかりの20数年前。子どものころから「ニックネームなし」で生きてきたわたしだが、あるとき「かわいい感じ」で呼ばれてみたい衝動に駆られ「いちごちゃんって、呼んで」などと、恥知らずなことを命じた。日本人のボーイフレンドには絶対に頼めないことである。
今でもごく稀に「イチゴ!」「イチゴちゃん」と呼ばれる。諸々、申しわけない。
さて、昨日のSTUDIO MUSEも、一人のメンバーがお別れ。我が8月31日の誕生日に帯状疱疹を発症したのを契機に「適度に手を抜く」ことを心がけ、だからSTUDIO MUSEの準備もほどほどに、と思っているのだが、時間に少し余裕があると、作りたくなるお菓子。参加人数が少なかったので、スポンジは1回焼けばすむ。時間もかからない。
インドに住む多くの日本人をして、異口同音に「インドのいちごは酸っぱくておいしくない」とご不満だ。確かに日本の「ふんわり❤️あま〜い」感じのイチゴに比べたら、甘みも少なく、しかも妙に歯ごたえが強い。だからといって、おいしくないわけではない。
先週のタルトに使ったように、砂糖とレモンをかけて軽く煮ると、風味豊かに濃厚ないちごソースになる。昨日は、形の悪いいちごをすべて小さく切り、軽くオーガニックの無精製の砂糖をふりかけて混ぜ、しばらく放置したものを、スポンジに挟み、トッピングにも使った。
すると、「このいちご、おいしい!」と言ってもらえる。ちょっと手を加えるだけで、おいしくなるのである。いちごに限らず、遍くインド生活、「ちょっとした工夫」や「少し視点を変えること」でおいしくも、楽しくも、なるものである。
わずか1年の間にも、ステージ出演、慈善団体訪問、バザールでの販売、ショッピングツアーと、積極的に活動に参加されていた去りゆくメンバー。日本でもどうぞお元気で!