🌙今日から、イスラム教徒(ムスリム)の断食節であるラマザン(ラマダーン)が始まった。今年2021年は、今日から1カ月間が断食節となる。ムスリムにとって、信仰心や連帯感を高め、慈悲や自律の精神を養うための、大切な日々だ。
インドではクリスマスを除いて、各宗教にまつわる祝日は、ほとんどが移動祝日。各宗教の「暦」に沿って、日程が決まる。ラマザンは、ムスリムの暦であるヒジュラ太陰暦(ヒジュラ暦)に沿って決められ、「新月が目視」できた日から開始だとのこと。
インドでは、ムスリムの聖地メッカがあるサウジアラビアの導師たちが新月を目視できた段階で、翌日からラマザン開始となる。今年は予定されていた11日に観測できなかったので、1日ずれた模様。
断食と言っても、もちろん1カ月間、絶食をするわけではない。太陽が出ている間は食事ができないが、日没から日の出までの間は、食事ができる。
この時期、モスク(イスラム寺院)の周辺は、賑やかな夜市(露店)が軒を連ねる。我が家にほど近いモスクの周辺でも、日没とともに、さまざまな肉類や揚げ物など、こってりとした食事の屋台が並ぶ。調理に伴う煙が随所で朦々と立ち込め、さまざまな料理の匂いが周囲に広がる。
異教徒の目にはむしろ、断食節で胃腸が悪くなる、あるいは太るのではと思わされる、ダイナミックな食の饗宴だ。ハリーム(肉や豆、穀類などをドロドロに煮込んだ濃厚シチュー)やビリヤニ、串焼き……イスラム教徒以外も食べに来る。買いに来る。わたしも10年ほど前までは、ときどき買いに行っていたものだ。
◉胃袋から近づく異教。モスク界隈でラマザン食!(2011年8月)
*写真のリンクが壊れているところも、クリックすると写真が出てきます。
https://museindia.typepad.jp/2011/2011/08/ramazan.html
◉金曜はラマザン・ナイト@マルハン家。土曜はパールシーの正月料理(2011年8月)
https://museindia.typepad.jp/eat/2011/08/feast.html