不確かさに包まれていた2年の歳月を経て、バンガロール世界はどんどん動き始めている。
🥻ミューズ・クリエイションの毎週の集い(STUDIO MUSE)をやめてからと言うもの、バンガロール在住の日本人と関わる機会はほとんどなく、日本語をしゃべる機会も激減した。
ネットでの日本語による発信が活発なこともあり、日本人との交流が多いのだろうと思われがちだが、さにあらず。先日、日本領事館主催で行われた「天皇誕生日の祝賀レセプション」に参加して初めて、大勢の日本人が戻ってきていることを実感した。
土曜日は久しぶりに、「サリー店&バザール巡り@インディラナガール」を急遽、実施。わたしが企画したのではなくご依頼を受けての開催だった。2年前に「インドのテキスタイルとサリー講座」を受講された駐在員夫人が、サリーに関心のあるご友人たちがいらっしゃるとのことで打診され、実施を決めた次第。
ランチタイムに集合して自己紹介ほか諸々の説明。その後、TATAグループ傘下のサリー専門店TANEIRAほか、行きつけのサリー店やバザールに赴くうちにも、瞬く間に6時間以上。濃密な午後だった。
☕️その夜は、そのままインディラナガールにあるARAKU COFFEEで開催されるパーティに参加。夫が所属するグローバル組織のひとつ、アスペン・インスティテュートのインド支部の会合だ。インド支部のトップだった女性キランがリタイアするというので、そのお別れ会である。
ARAKU COFFEEのCEOであり、偉大なるソーシャル・アントレプレナーであるマノージも、夫はアスペンを通して出会った。
サリー姿が美しい二人。左の女性はインド最大のサリーショップNALLIの創業一家で、副社長を務めるラヴァニヤ。毎度、さすがの美しいサリーの着付け具合である。NALLIは、1928年、お隣タミル・ナドゥ州のチェンナイに創業したサリー専門店。タミル・ナドゥ州の伝統的な織物、カンチプラム(Kanchipuram)をはじめ、インド各地のサリーを販売している。
もちろん実店舗を訪れるのが一番だが、ラヴァニヤの尽力により拡充されているオンラインショッピングも必見。商品を選びやすいレイアウトや仕組みが整っている。購入せずとも、サリーの産地や種類を知るのにも役立つ。上述TANEIRAのショッピングサイトも充実していて、日本を含む世界各国からの注文も可能だ。
写真右の女性が、今回のフェアウェルの主人公、キラン。ラヴァニアの選んだ贈り物、シルヴァー・ブルーのサリーが本当に素敵。サリーという5メートルの一枚布の深い歴史と魅力に、改めて感じ入る。
ところでこの夜は、またしても日本に縁の深い人たちと遭遇。左上の写真は日本にご縁がある男子たちと共に。
わたしが東京に住んでいたのは、1988年から1996年の8年間。そこから1年ずれて1989年から1997年まで、日本に暮らし、東京大学に在籍していたという男性はじめ、名古屋の日本企業に3年間勤務していた男性、現在、慶應大学の学生にオンラインで国際法を教えているという男性(パール判事の話などに火がつく)、文化支援の仕事で岩手に3カ月暮らした女性、サステナブルな空気清浄機の仕事で日本と行き来をする夫妻……と、わたしよりも日本の今に詳しい人たちばかり。
そこそこに疲労していたところに、次々に興味深い話が降りかかってくる。おいしいワインに酩酊しつつも、脳みそフル回転でがんばった。こういう人たちをみんな取材させてほしいと思いつつ……毎度、尽きないインド世界。