京友禅サリーの展示会が目的で訪れた冬のデリー。よりによって、今年で最も空気が悪く、視界不良でフライトが遅れた日に到着した。しかし、その数日後からは空も澄み始め、寒さにも慣れた。
展示会の準備のために買い物へ出かけたり、親戚宅を訪れたり、友人たちと食事を楽しんだりと、無理をしない程度に外出もした。
13日には展示会の開場前に、祭司を招いてロメイシュ・パパの命日を祀る儀礼を行った。ヒンドゥー教の儀礼は、何かと火を焚く。結婚式のときも。新居の祝祭も。
さらにはその日、北インドはLohri(ローリー)と呼ばれる冬至の祭り日であった。五穀豊穣を願うもので、これまた火を焚く。マルハン家1階のテナントの一家に招かれた。展示会を終えてひと段落した後、階下に降りる。
軽くカクテルなどをいただき、語り合った後、焚き火の周りを歌い踊りながら周り、ポップコーンやピーナッツを火に投げ込む。
大気汚染を助長している、すまぬ。との思いと、昔ながらの習慣だから仕方ないよな……との思いが錯綜。
14日の展示会終了後は、義理の継母ウマの誕生日を祝うことができ、それもうれしかった。本当にありがたい偶然だった。
デリーでは、バンガロールでは感じることのない、インド家族や親戚との繋がりや歴史を肌身に感じる。好奇心を刺激されると同時に、あまりの果てしなさに途方に暮れる思いにもなる。
抱えきれないほどのテーマを前に、自分が関われることには限度がある。やるべきこと、やりたいことを見極めて、あれこれ抱え込まず、取捨選択をせねばとも思う。
デリー宅は今後、改装工事が必要だ。バンガロールの旧居もまた。これらは不可欠なすべきこと。
一つ一つの課題が重いが、マネジメントできるのは自分しかいないので、焦らずぼちぼち、進めたい。
詰め込んでいるつもりはないのに、時間はどんどん流れていく。隙間、余白を大切にせねば。