“The literary meaning of Kerala is "the land of coconuts". "Kera" in Malayalam (the language of Kerala) means coconut. As Kerala is abundant with coconut plants, it naturally got the name Kerala.”
ケララという名は、当地で使われる「マラヤラム語」で「ココナツの王国」という意味だと、昨日のガイド氏が教えてくれた。かなりシンプルな命名である一方、ケララ州はインド・パキスタンが分離独立した1947年から9年も遅れた1956年になって、ようやく成立したという。
話は飛ぶが、イスラム教徒が多い地、ハイデラバード藩王国(現在はテランガナ州とアンドラ・プラデーシュ州の州都。ややこし!)が、印パ分離独立後もパキスタンに帰属する様子を見せ、東パキスタン(現バングラデシュ)のような飛び地国家になる可能性があった。もしそうなっていれば、パキスタンはトライアングル状態でインド国内に領土を持つことになっていただろう。
結局は、1948年にハイデラバードは降伏し、インド政府に強制併合される形となった。つまり、1947年にピシッとインド全体が独立したわけではないということは知ってはいたが、ケララが9年も遅れて成立していたことは知らなかった。インドは広くて多様で、知れば知るほど、奥が深い。
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率直にいえば、今回のコチ=ムジリス・ビエンナーレは、6年前に比べると、かなりインパクトが弱い。規模そのものが、パンデミックの影響で縮小されている気もする。それから、重い世相を物語る作品が多い気がする。笑えない。あるいは、希望を抱くのが難しい。
しかし、それも時代の現実。誰かの手(アーティスト)によって、目に見える形で留められた時代の片鱗を、どう捉えるか。それは見る側の受け止め方、次第だろう。駆け足で眺めたのではわからない世界もたくさんある。だから、できるだけゆっくりと。
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夕暮れ時、ひとりでフォート・コチを歩いた。年末に訪れたポンディシェリとも重なる古き情景は、不思議と心を落ち着かせる。夕映えがよく似合う街並み。
6年前に引き続き、今回もゆっくり4泊5日の旅にしておいてよかった。しっかりと、消化しながら、次に進む。