1996年に日本を離れて以来、米国でも、インドでも、「お正月気分」は皆無。1998年の冬、初めて夫と二人で日本を訪れ、京都で年を越したことが、わたしにとって、最後の日本のお正月だ。
半袖で過ごせる心地よい気候の中で、しかし、凛と全身が引き締まる寒風を懐かしむ。
数時間かけてゆっくりと味わった大晦日のランチ。胃にも心にも贅沢だったので、夕飯は抜き。しかし、年越し蕎麦は食べねばならぬ。
先月、京都からお越しくださった京友禅染匠の竹鼻夫妻からいただいていた蕎麦、最後の一袋を開封。茹でたあと、冷水に晒して締めたあと、とろろ昆布を載せて、だしをかける。おいしく締めくくった2022年。
そして元旦。気づけば買い物をし損ねていて、新鮮な野菜はキャベツしかない。こんなときに役立つのは日本の乾物。一時帰国時に購入していたもの、あるいはいただいたものなどを取り出す。切り干し大根に乾燥ごぼう、干し椎茸、ひじき。夫の好物である高野豆腐などを水で戻す。
主役は、maindish.inで注文していた熊本県天草市から届くウナギと中トロ。インドに暮らし始めて、冷凍した食べ物を口にする機会は激減したが、これだけは別。元旦につき、奮発してどちらも解凍。それに佐賀の海苔を添えれば、もうそれだけで、贅沢な食卓だ。
味噌汁は先日のヴィーガン・マーケットで購入したbrownkojiboy.comの味噌を使用。色が濃いめだが、味わいはまろやかでとてもおいしい。
これでお餅(きな粉餅)でもあれば極楽だ。
翻って、昨日のランチは、Jamie Oliverのピザ専門店からデリヴァリー。かつて「裸のシェフ(Naked Chef)」と親しまれた彼の料理やレシピのコンセプトについては、書きたいことが募るのだが、今日のところは割愛。今回初めて注文したが、いずれも美味だった。
そして昨夜、旧居に戻った。4猫らと新年のご挨拶。今年も元気で長生きしてください。
今朝は、2泊3日でゴア旅行に出かけた夫を見送り、わたしは庭の水撒きからはじめる。もう久しく我が家を見守り続けてくれている仏像を清め、緑を洗い、心も洗浄される思いだ。