インドの夏、それはマンゴーの夏。街を黄金色に彩りながら、おいしいマンゴーが出回る時節となった。マンゴーといえば、マハラシュトラ州(ムンバイのあるところ)産のアルフォンソ・マンゴーが「マンゴーの王様」として有名で、他のマンゴーより一足早い3月ごろから出回る。
しかし、ここカルナータカ州のローカルのマンゴーもさまざまな種類があり、おいしいものがたくさん。この季節、かなりの速度で旬が巡るので、週に一度は店頭に赴き、「今が食べごろ」のマンゴーを選びたいものだ。
マンゴーの種類によっては、「熟れても緑色のまま」のものもあるので、購入の際にお店の人に確認を。スーパーマーケットの店員さんでは頼りにならないので、あくまでも果物専門店などの「マンゴー経験豊富そうな店主」に尋ねたい。
マンゴーの中には、早く熟させるための薬が用いられていたり、農薬が多めに使われているものが少なくなく、社会問題になった時期もあった。従っては、路傍の屋台などではなく、信頼のできる店で購入することをお勧めする。並んだ商品がすべて均一に熟れた、きれいすぎるマンゴーは、むしろ怪しい。
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バンガロールでは、オーガニック専門店をはじめ、ナムダリズやニルギリズ、ネイチャーズ・バスケット、トムズ・ベーカリーの隣の果実店などは信頼できる。ちなみにネイチャーズ・バスケットは、本拠地がマハラシュトラ州ムンバイであることから、以前からケミカルフリーのおいしいアルフォンソ・マンゴーが販売されている。「箱買い」がスタンダードだ。
また、5月ごろになると、空港へ向かう途中にある農業科学大学(University of Agricultural Sciences)が、農家から直接卸したマンゴーを、ヴァラエティ豊かに廉価で販売しはじめる。
Direct marketing a boon for these mango growers
「アルフォンソ・マンゴーに対しては、本気で挑みたい」という方には、ガンディ・ナガールにある「マハラシュトラ・マンダル」と呼ばれるマハラシュトラ州の組合へ赴くことをお勧めする。期間限定、マハラシュトラから直送の、オーガニックのアルフォンソ・マンゴーが販売される。
営業時間は朝11時から夜9時まで日曜は休み。出かける前に、下記のシャルミラさんに問い合わせを。(2024年4月現在も開業)
Maharashtra Mandal
2nd Cross, Gandhinagar,
Tel. Sharmila, 98440-69475
マンゴーは、ともかく香りが命。匂ってみて、香りが薄いものは、熟れていないか、ケミカルが多く使用されているかのどちらかだ。熟れていないものは当然酸っぱくて、おいしく食べられない。色や香りを確かめて、タイミングを見計らって食することが肝心だ。
なお、アルフォンソ・マンゴーの場合、表面に若干、皺が寄っているくらいが、熟しておいしかったりもする。ただし、マンゴーは体温を上げる効果があるため、食べ過ぎは禁物。また食べる前に、マンゴーを水につけて冷やす方がいいと言われている。マンゴーの熱を奪う効果があるのかもしれない。
なお、6月には、市内のラルバーグ植物園で、毎年恒例のマンゴー&ジャックフルーツ祭りが開催される。近年は、カルナタカ州産のオーガニック・マンゴーも数多く出回るようになり、非常においしい。
🥭マンゴー祭り。今年はオーガニックものが充実!(2011/06/05)(←CLICK!)
以下、バンガロールで入手できる代表的なマンゴーをご紹介。(写真は2011年に撮影したもの。上記ブログより転載)
●アルフォンソ(Alphonso) インドのマンゴーを代表するマンゴーの王様。マハラシュトラ州で、マンゴーのシーズンとしては最も早い3月ごろから市場に出回る。芳しい香りを伴う甘みの強いマンゴー。オレンジ色の果実から滴る果汁もたっぷり。バンガロールでも3月ごろから店頭に並ぶが、味が安定し値段が下がる4月ごろまで待つのが賢明。
●バダミ(BADAMI) カルナタカ州北部のバダミで収穫されるマンゴー。大きさ、味わい共に、アルフォンソーに似ているが、風味が軽く爽やか。
●バンガナパリ(BANGANAPALLE) お隣アンドラ・プラデーシュ州のバンガナパリで収穫されるマンゴー。バンガロールでは4月ごろから店頭に並ぶ。手のひらに載る中サイズから、手のひらから溢れる巨大サイズまで、ともかく大きい。皮はレモンイエロー、黄緑色で、果肉も薄い黄色。舌触りが滑らかで、繊維質が少なめ、レモンチーズケーキ? っぽい風味がしないこともない、爽やかな味わいだ。
●センドゥーラ(SENDURA) 個人的に、とても好きなマンゴー。お隣タミル・ナドゥ州産で、ハニー・マンゴーとも呼ばれる。バンガロールでは4月ごろから店頭に並ぶ。小ぶりで、少し赤みがかっているのが特徴。香りからして、上品でとてもいい。果肉は見た目、黄桃。味は白桃。とにかく、桃風味。日本の桃をほのかに思い出させる、しかし主張のある頼もしいマンゴーだ。
●マリカ(MALLIKA) 北インドのダシェリ(Dasheri)とニーラム (Neelum)を掛け合わせたハイブリッドなマンゴーで、バンガロールでは5月中下旬から見られる。果肉は薄いレモンイエロー。シトラス、メロンを思わせる甘みの強いマンゴーで、これもまた、おいしい。
●シュガーベイビー ピンポン球ほどの小さなマンゴー。皮が分厚く、繊維質が多い。これは洗った後、皮を剥かず表面から果実をグイグイと押しつぶし、中身をジュース状にしたあと、皮を少し齧って、チューチューと吸って食べる。別名チューチューマンゴー(勝手に命名)。
●イマム・パサンド(Imam Pasand) 甘みが強くておいしい
まだまだ、他の種類のマンゴーも見られる。あれこれと試して、自分の好みの味を見つけ出されたい。
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ミューズ・クリエイションの集いであるところのSTUDIO MUSE(毎週金曜日)のおやつの時間には、坂田の手作りお菓子がしばしば振る舞われるが、この時期は、マンゴー・カスタードクリーム・タルト、が登場する。
マンゴーたっぷりのスポンジケーキが登場することもある。