昨夜はゲストがご来訪につき、自宅で夕飯。バンガロールに一年間インターンシップに来ている18歳の日本人女子だ。デリーの繁田女史が、彼女の「教育係」を担当しているとのことで、連絡があった次第。
若者が拙宅に来訪する際には、「たっぷりとご飯を作ってもてなす」が、自動操縦的にインプットされている我。鬼のように食欲があった我が若かりしころ、しかし経済的に困窮していて、ろくなものを食べていなかった。
月に一度の「肉のハナマサ焼肉食べ放題」で、1カ月分の肉を集中補給していた(やや大げさ)の駆け出し時代の自分を思い出してしまい、「若者には、食べさせないかん!」と思うのだ。
相手がどんな女子なのかも知らないうちから「インドに来たばかりで、なにかしら食いっぱぐれているに違いない」「素朴な日本の味が恋しいに違いない」と断定し、やさいたっぷりの、素朴ヘルシーな料理を準備。
なにはともあれ、ごはんと味噌汁。豆腐は近所の韓国料理店、アリランの木綿豆腐。
きゅうりとトマトのあっさりサラダ。伊達巻級に大きな卵焼き。やはりアリランの大豆もやしは、軽く茹でてゴマ油と醤油、シーソルトで和えて歯ごたえシャキシャキのナムル風。
ほうれん草のお浸しには、マヨネーズをかけて味にアクセントを。そして毎度おなじみバンガロール・ビーフのフィレ(アンダーカット)を冷蔵庫で熟成させたものをガーリックバターでステーキに。そして最後は、たっぷり白菜とアリランの少量キムチ、それに塩麹につけておいた豚ばら肉を炒めたもの。これは最後に軽く醤油を垂らす程度で、極めておいしく仕上がる。
二人してご飯をお代わりしつつ、もりもりと食べた。最後には、NATURALSのおいしいアイスクリームも食べた。なぜかわたしまで、よく食べた。
日本を離れて23年。毎度、書いていることではあるが、若者らとの会話は、自分の知らない日本と、現在の彼らの境遇、環境、考え方の断片を知ることができて、非常に興味深い。自分たちに子どもがおらず、身近に若い世代を感じる機会が少ないので尚更だ。
思うところ尽きぬが、ともあれ、若いころの1年は、短いようで長く濃く、その後の人生に大きな影響を与える体験を間断なく浴びることができる。インドの地で1年を過ごそうと決めた彼女の勇気に敬服しつつ、囚われず、のびのびと、ぐいぐいと、新しい世界のドアを開き続けて欲しいと思う。
わたしもまた。