昨日は、日本人の友人たちと、ヘルシーランチ@Sante Spa Cuisine。先日、日本食が大好きなインド友らと出かけて気に入ったお店。ヴェジタリアンと一言でいっても、肉や魚を食べなければいいというわけではない。厳格さの度合い、宗教、アレルギーや疾患の程度によって、かなりの制約がある。
このレストランでは、ヴィーガン、ジャイン、グルテンフリー、そしてインドに多い糖尿病患者に対応したアルカリ性食品メニューが用意されている。ちなみにジャインとはジャイナ教徒のこと。約2500年前、仏教と同じころに興った宗教で、インド特有の宗教でもある。
インドでは、約0.5%ほどの超少数派ながらも、ジャイナ教は強い存在感を放っている。また、富裕層が多いことでも知られる。
徹底的な非暴力、不殺生、苦行、禁欲主義の宗教で、生き物だけでなく、植物の中にも霊魂を認める。たとえば植物でも、タマネギやニンジン、芋など、それを掘りだせば植物自体を殺生してしまう球根や根菜類を食さないのだ。もちろん、革製品のバッグなども持たない。
10年前、ムンバイに暮らしていたころ、車を購入した時、ディーラーがレザーシートのオプションを見せてくれた。そこに合皮の選択肢があったので「インドは皮革が安いのになぜ合皮を用意しているのか」と問うたら、ジャイナ教徒向けだと言われて納得した。
前回この店を訪れたときは、常連のトゥシャールに任せっきりだった。今回、メニューをしみじみと見て、その種類の多さに驚く。と同時に、何がなんだかわからない。ウエイターのお兄さんにお勧めなどを尋ねつつ、みなであれだこれだと検討しあって、料理を選ぶ。ドリンクもまた、それぞれに異なるものを。わたしが頼んだのはチャコール入りのジンジャードリンク。見た目は地味だが、さっぱりとおいしかった。
ビートルート(ビーツ)とほうれん草で色づけされたカラフルなフムスにはじまり、スーパーフードやナッツ類などが種類も豊富に入ったサラダ、マッシュルームの旨みが詰まった点心、グリーンソースの全粒粉パスタ、ブラックライスを用いた巻き寿司、ピザなどを次々に食す。どれも、味がしっかりとしていて素材の旨みがあり、食べ応えがある。肉や魚などのノンヴェジ素材が入っていなくても、十分に満足できるおいしさだ。
この店が近所にあれば、週に一度は通いたいと、改めて思う。昨今のインディラナガールは、飲食店がヴァラエティ豊かに次々と誕生している。その分、栄枯盛衰も著しいが、この国の変化の速度を目の当たりにできる縮図のようで、面白い。