ミューズ・リンクスセミナーを我が家で開催する場合、当日に手間がかかるのは、おやつの時間と懇親会の準備だ。
いつも「主体はセミナーなんだから、料理は軽めにすませよう」と思う。しかし直前になると「若者が多いし、普段、健康的なものを食べてない人も多いはずだ……」と、「寮母さん気分」が沸き上がる。ほぼ衝動的かつ自動操縦的に、食材を注文し、メニューを考えてしまう。
そんなわけで、朝はキッチンに籠って料理を仕込み、午後1時半に開場。途中休憩を挟んで7時まで。7時に一旦、ビールやジュースで乾杯しつつ、しかし語りきれていないテーマを「ビールを飲みつつ」語る。8時にはセミナーを終了し、料理を広げ、懇親会という名の宴会に突入だ。
いつもの丸鶏グリルに加え、豚バラ肉やら白菜、豆腐などを煮込んだ韓国料理風がメイン。韓国料理店で仕入れた大豆モヤシでナムル風も作った。朝のうちにパンを焼いておいたが、これは日本米が食べたくなるメニューだ。若者が多いだけあり、大量に用意していた食事も、あっという間に平らげられる。
若者向けセミナーでは、必ず語るところの「自炊せよ!」だが、海外生活に際し、自分で料理ができることがどれほどの強みになるかということを、肌身に感じて欲しいとも思う。口に合わないインド料理やインスタント食品ばかり食べていたのでは、腹の底から力が出ない。吹けば飛ぶよなメンタルになる。
腹が減っては戦はできぬ。
朝の調理時からセミナー終了の夜8時まで立ちっぱなし。都合10時間近く(!)も、ぶっ通しで語り、語り合えるのは、普段の健康的な食生活のお陰でもあると自負している。
一昨日のセミナーの受講者はまた、とても幸運であった。実は「年に一度、一晩だけ」咲いていたはずの月下美人が、ここ数年は「年に2、3回、一晩だけ」咲くようになっており、土曜の夜は、なんと20輪以上も開花したのだ。
セミナーのあと、ひとしきり飲んで食べて、庭に出て月下美人を愛で、さらに部屋に戻ってさらに飲み語り合い、日付が変わるころまで。お土産に月下美人の花を託して、皆を見送った。高原の風が心地よい夜。長距離を走り抜けたような達成感だ。
夫が出張中ということもあり、日曜日は転じて静寂。片付けをしたり、おやつの残りを食べたり、猫らと遊んだり、セミナーのフォローアップのメールを送ったりして、のんびりと過ごした。いい週末だった。