昨年5月、毎年恒例ロンドン経由ニューヨーク旅の帰路、ロンドンからアイルランドへと飛んだ。緑濃く、ギネスビールやウイスキーがおいしい国。ドライヴ旅の記憶も懐かしく、ウイスキー蒸留所見学も忘れがたく。
あの旅を機に、ウイスキーへの愛着が沸いた。ロックダウンに入ってから半年あまり。夜、寝る前に、バンガロール郊外の蒸留所AMRUT産のウイスキーを、ストレートで少しずつ飲むのが習慣になっていた。
寝る前のアルコールには賛否両論あるし、夕食の前後にはビールかワインも飲んでいるし、飲みすぎないに越したことはないが、深夜、日記を書きながら、あるいは映画を見ながら、少しずつ飲むひとときは、「瞑想」と同様、心安らぐのだ。
ロックダウンに入って以来、毎日「本当の」瞑想を行い、アルコールをほぼ摂取せず、減量したわが夫に比べ、妻は飲み食い活発で増量。お手軽筋トレをするも、痩せるどころかムキムキと重さを増して途方に暮れるが仕方ない。
話を戻してウイスキー。8年前、AMRUTの蒸留所を見学した。5、6種類のシングルモルトほか、庶民向けの廉価なウイスキーも生産している。
見学のときにおいしいと感じたのは、グローバルに評価の高いAMRUT FUSIONと、シェリー酒の樽で貯蔵されたものだった。
わたしは、あまりお酒が飲めなかった20代のころから、シェリー酒は好きだった。ニューヨーク在住時の1999年年末年始、夫と南スペインのアンダルシアをドライヴ旅した際、シェリー酒(ヘレス)の産地であるヘレス・デ・ラ・フロンテーラまで足を伸ばして、「ティオ・ぺぺ」で有名なゴンサレス・ビアス社を見学したことを思い出す。
ところで、自分が書いたAMRUT見学のブログを読み返すと、シェリー酒貯蔵のウイスキーは「2番目に気に入った」とあるが、わたしの記憶の中では1番おいしかったことになっていた。無論これは、インドでは販売されていなかったので諦めていたのだが……。
実は先日、バンガロールの老舗超便利商店トムズ・ベーカリーのアルコールショップへ行き、AMRUT FUSIONを買おうとしたら、店のお兄さんが「これもお勧めですぜ!」と2つの箱を取り出してきた。
なんと、シェリー酒貯蔵のウイスキーも国内販売されてはじめていたようである。AMRUT NAARANGIがそれだ。オレンジの皮とともに2年以上、貯蔵されたものらしい。ちなみにヒンディー語でNARANGIはオレンジの意味。
そしてもう一つは、AMRUT TRIPARVA。箱には3つの蒸留機の絵。去年、ダブリンの蒸留所見学の際、アイリッシュ・ウイスキーの特徴を教わったことを思い出した。三回蒸留はアイリッシュウイスキーの伝統なのだ。
どっちも欲しくなったが、FUSIONが1本約4000ルピーなのに対し、こちらは9999ルピー。国産アルコールとしては、最も高価な部類ではなかろうか。一旦、保留。近々、試してみようと思う。
●バンガロール産ウイスキーAMRUT蒸留所見学(2012年6月)
https://museindia.typepad.jp/2012/2012/06/amrut.html
●アイルランド旅の記録(2019年5〜6月)
https://museindia.typepad.jp/2019/%E6%97%85%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89/
●ティーリング・ウイスキー蒸留所 (TEELING DISTILLERY)
https://museindia.typepad.jp/2019/2019/06/ireland-06-dublin-.html