北部スペイン、ピレネー山麓のバスク地方を故郷にもつ映画監督、ビクトル・エリセ。彼の作品の一つ、『エル・スール El Sur』を思い出す、夕暮れどき。
北部スペインに暮らす少女が、南(アンダルシア)に思い出を残す父親の中の憂いを嗅ぎ取り、未だ見ぬ南に思いを馳せ、やがて、なんとも遣瀬ない結末を迎える、情趣的な映画だ。
スペインもまた、一つの国でありながら、カステーリャ、アンダルシア、バスク、カタルーニャ、ガリシア……と、異質の文化が共存している。それも、無理やり、という感じで。
バスク地方の少女にとって、絵葉書を通してしか見ることのないアンダルシアは、レコンキスタ以前のイスラムの香りが漂う、まるで異国の地でもある……。
YPO友らとのフォーラム・ミーティングの帰路、久しぶりに近所のトムズ・ベーカリーの青果店に立ち寄った。見慣れた果物の中に紛れる、この地では珍しい食用ほおずき。デリーの実家を訪れたある冬の朝。食卓に並べられたその果物を口にして、その甘酸っぱいおいしさが、とても気に入った。
そのことをロメイシュ・パパに伝えたら、それから先の冬には欠かさず、用意しておいてくれた。
ここ数年は、インド国内のロジスティクス/運輸事情も向上し、以前よりも遥かに、東西南北各地の農作物が、ここバンガロールにも届けられるようになった。たとえば北インド産の京にんじん風の赤いニンジン。かつては、バンガロールに届くころには「しなっ」と弱っていたのだが、今では「ぴしっ」と新鮮なものが見られるようになった。
それでもこの多様性に富む広大な国土。北も東も西も、まるで異国のような存在感であることには変わりない。
2009年のこの写真は、デリーのカーンマーケットで撮影したもの。ほおずきはこうやって、皮を剥いで糸で縛り、「ぶどう」のような塩梅で売られている。
そんなことを思い出しながら、ほおずきを皿に載せる刹那、『エル・スール』を思い出したのだ。無論、わたしの場合は、『エル・ノルテ El Norte』。北を偲んでいるのだが。
月日は百代の過客にして、行きかふ年も又旅人也……by 松尾芭蕉。
本日の服装。友人らに褒められたので、帰宅後、撮影。この間、レインツリーのフード・バザールへ赴いた際、特設コーナーで販売されていた名もなきブランドの、リーズナブルな服。ワンピースとジャケットが一体化している。コットンが柔らかく着心地もよく、まさに掘り出し物、だった。
マスクは先日も動画でチラッと紹介したKAVERIのもの。昨今、マスクは完全にファッションの一部と化しており、選択肢も豊かなり。
料理の写真は、いつもミーティングをしているUBシティのオークウッドにて。新しいシェフが招かれ、アジア料理を提供している。日本料理も大好きなグルメな友人が、メニュー作りにも携わっていることから、かなり洗練された内容だ。マグロのタタキや個性豊かな寿司なども美味!
写真に撮りきれないほど、次々に試食の料理が出てきて、お腹いっぱいのランチタイム……。
我が友人らが日本の印象を語る動画も作っている。ぜひご覧ください。