20代半ば。わたしは旅行情報誌の編集者だった。オフィスには、コンピュータはおろか、ワープロさえも普及していなかった1990年前後。常時、過密スケジュールのもと、なんとか仕事をこなせていたのは、「スケジューリング」を重視していたこともある。
周囲からは「スケジューリングの女王」(スケートリンクの女王ではない⛸)と煽てられて悦に入っていたが、その技や習慣は、27歳でフリーランスになって以降、現在に至る30年余り、磨かれつつ変容しつつ、今のわたしを支えている。
フリーランスの身の上は、会社員時代よりも一層、スケジューリングが重要となる。仕事に穴を開けたら、即、収入を失う。
スケジュールを立てるに際して重要なのは、自分のことを知ること。自分の能力。自分の希望。自分の体力……。他人と比べるのは無意味。あくまでも自分の傾向を見つめてプランニングすることが大切だ。
わたしが一貫して重視しているのは「余白」。フリーランスだからこそ、詰め込まない。たとえ仕事が趣味のように楽しくても、クライアントから受けている以上、仕事は仕事。切り替えが大切。
ジャーナル(スケジュール帳)とペン、マーカーは必携。そのときどきで、マーカーの色分けやノートの種類も変化してきたが、ともあれ、マーカーで紙面が埋まらないようにするのが肝要。
そして十分な睡眠や食事の時間。自分を見つめる時間。遊ぶ時間など「生きる楽しみを感じられる時間」は死守する。
もちろん、思うようにいかないこともあるが、余白があれば調整可能。余白がないと、ドミノ式に倒れていく。フリーランスでそれは致命的となる。
……と、悠長にスケジューリングのコツを語っている場合ではない。今日の午後は楽しみにしていた新空港ターミナル2の取材。それが終わってようやく怒涛の1週間がひと段落するが、今のうちに、記録を残しておきたい。
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◉23日土曜日/午前中は、バンガロール日本人補習校の代行教師。わずか2回の国語の授業だったが、とても有意義で楽しい時間だった。午後は、学校での出来事や、生徒たちへの伝言ノートを書きたかったが、翌日のBBQパーティを控え、準備を優先。
◉24日日曜日/新居でのBBQ大会。名目は「ミューズ・クリエイション本格再始動ソーシャルイヴェント」。子供を含めた40名以上を招くのは初めてのこと。あらかじめ「坂田マルハン家/利用上の注意」を作成、保護者各位にはお子様に説明しておいてもらうなど、肉以外にも準備。新居は約5000Sq ft、外庭はバスケットボールがすっぽり入るくらいの広い敷地なので、スペースは潤沢にある。しかし、ルールを決めねば無法地帯となる。バーベキューを実施する「外庭」はアクティヴに暴れ放題、地下の「多目的すぎるホール」ではエンタメを、そして静かに読書ができる子供たちは「月光ライブラリ」を利用してもらう。
◉25日月曜日/午前中、大掃除。新居は基本、週末しか使っていないのでメイドを雇っていない。ゆえにエクササイズ&精神修養を兼ねて、自分で掃除をしている。世間からは驚愕される。しかしわたしは、現状、このライフスタイルを気に入っている。禅修行においても、掃除は重視されている。そのことが、この年齢になって身にしみるのだ。この件、言及すると長くなるので割愛。掃除をしつつも、朝から「明日はバンガロールがバンド(ジェネラル・ストライキのようなもの)になる」との情報が流れ、予定変更に追われる。この日の深夜、日本から到着した知人を泊めることに。
◉26日火曜日/知人に「1泊2食付き」を提供後、『インドのテキスタイルとサリー講座』の準備。彼女は中心部から少し離れた場所にホテルを取っていたので、この日、3時ごろホテルに移動。その2時間後、今度は、インターンの女子大生1名、バンガロールに到着。彼女の滞在先は市街を横切る必要があり、移動が不可能だったので我が家に招く。
◉27日水曜日/インターン女子に「1泊2食付き」を提供して見送り後(なんだかんだで、楽しかった😁 彼女のことは、いずれまた記すことになるだろう)、10時半より開催の『インドのテキスタイルとサリー講座』のためのサリーやらお菓子やらの準備。資料は先週のうちに印刷やファイリングを用意しておいた。準備は前倒しが大切。講座の様子は別途、残したい。
◉28日木曜日/朝。掃除&モップがけ。いい汗かいてのシャワーは最高。いまここ。やっぱり禅の教えは尊い。本日午後は延期となっていた新空港ターミナル2の取材! 楽しみすぎる。またレポートを書きたいので、今日までのハイライトを、残しておきたく、今、記しているところ。明日からは「余白」が多いので、マッサージでも受けて、少しリラックスするつもりだ。